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ノリさん、ピッチ内外で“劇場”演出!契約は五輪予選まで延長へ

[ 2015年6月29日 05:33 ]

<日本・オーストラリア>試合後、ファンの声援に応えるなでしこイレブンを笑顔で見つめる佐々木監督

女子W杯準々決勝 日本1―0オストラリア

(6月28日 エドモントン)
 サプライズ満載の“ノリさん劇場”第2幕だった。試合後の佐々木監督は「1点差でシビアに粘り強くやって勝ち得た」と落ち着き払っていた。08年北京五輪からなでしこを率いた全主要国際大会で4強以上が確定。ハラハラドキドキの展開で勝利を収め、女子サッカー界のスピルバーグ監督を自任する指揮官が、またもや本領を発揮した。

 采配がさえた。高さ対策で1メートル87のGK山根を送り出す考えもあったが、オランダ戦で痛恨のファンブルから失点した海堀を投入。「判断ミスがあったかもしれないが、その他は評価していた」と明かし、送り出した守護神は完封に貢献した。ジョーカー起用の岩渕は決勝弾。切り札の初ゴールを名前の真奈(まな)にかけた「真奈かな(まだかな)、真奈かなと思ってずっと待ってた。やっと決めてくれた」というオヤジギャグは通訳を通じて翻訳され、海外メディアの笑いも誘った。

 ピッチでは気温30度を超す消耗戦。だが、指揮官は落ち着いていた。ハーフタイムに「90分が駄目でも120分で仕留めよう」と長期戦を覚悟させた。CKでは岩清水、大儀見、熊谷、阪口がペナルティーエリア内で縦1列になり、キックと同時に周囲に散って相手マークをかく乱。指揮官が発案したトリックプレーで決勝点を生む伏線となった。大会5試合、全て1点差勝利で全7得点を異なる選手が決めた。これも佐々木マジックか。

 日本サッカー協会との契約は今夏に切れるが、協会側は1年の延長オプションを行使する方針。大仁会長は「(協会の)女子委員会が決めること」としながらも「(五輪)予選のとこはやってもらおうと。契約条項ではね」と来年3月に予定されるリオデジャネイロ五輪アジア最終予選で采配を任せる見通しを示した。「とにかく目の前の試合を、みんなと一丸となって戦うだけ」と訴えた指揮官だが、五輪出場権を獲得した場合は本大会での続投が既定路線。まずはW杯連覇を成し遂げ、来年のリオ五輪での金メダルにつなげる。

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2015年6月29日のニュース