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ランパード“涙の恩返し”古巣チェルシーから起死回生の同点弾

[ 2014年9月23日 00:04 ]

チェルシー戦に引き分け、サポーターの声援に応えるマンチェスター・シティーのMFランパード(AP)

 涙の恩返し弾で古巣の首位独走を阻止した。リーグ連覇を狙うマンチェスター・シティーに今季加入した元イングランド代表MFフランク・ランパード(36)が21日のホーム・チェルシー戦で途中出場し、後半40分に移籍後初得点となる同点ゴール。退場で1人少なくなったチームを救って1―1の引き分けに持ち込み、昨季まで13季プレーしたチェルシーの開幕からの連勝を4で止めた。

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 敗れれば首位チェルシーとの勝ち点差が8に開いていた状況を一変させる同点弾。喜びを爆発させる地元ファンと笑顔のマンチェスターCイレブンの中で、ランパードだけが寂しげな表情を浮かべていた。昨季までチェルシーの顔だった36歳は試合が引き分けに終わると涙を手で拭い、「ちょっと言葉が見つからない。こんな形でチェルシーファンにお別れを言うことになるとは思わなかった」とつぶやいた。

 後半21分、DFサバレタが2枚目の警告で退場となり、圧倒的に攻めていたマンCは一転苦境に陥った。26分にカウンターから失点し、ペジェグリーニ監督は33分にランパードを投入。前節13日のアーセナル戦で移籍後初出場初先発し、この日はMFヤヤ・トゥーレの復帰でベンチスタートだったランパードは7分後、MFミルナーの左からの折り返しを右足ジャンピングボレーで流し込んだ。

 チェルシーでの公式戦211得点はクラブ史上最多。「世界最高のセンターハーフ」と呼ばれるプレーだけでなく、優れた統率力でプレミアリーグ3回、FA杯4回、欧州CLと欧州リーグ各1回の優勝に貢献した。ランパード自身、チェルシーで現役を終えることを望んでいたが、昨季は出場20試合にとどまり契約更新の打診もなかったことから、米MLSに来年参入するニューヨーク・シティー(NYC)への移籍を決断。来年3月の開幕までコンディションを維持するため、NYCとオーナーグループが同じマンCへ6カ月の期限付き移籍で加入した。

 ライバルチームへの移籍は裏切り行為と批判するチェルシーファンも少なくなかった。古巣との初対戦を前に「朝起きた時、自分が何を求めているのか分からなかった」と明かしたランパードは「ピッチに立って自分の仕事をこなせなかったらプロ失格だった」と自身に言い聞かせるように話した。「ラブストーリーは終わったんだ。彼は本物のプロで、その通りに仕事をした」。長年仕えた現在の敵将・モウリーニョ監督の冷静なコメントが、未練を引きずるベテランには一番ありがたかったのかもしれない。

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