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W杯公式球「ブラズーカ」 前回よりぶれない 筑波大が分析

[ 2014年5月29日 22:00 ]

サッカーワールドカップブラジル大会の公式球「ブラズーカ」

 サッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会の公式球「ブラズーカ」は、前回南アフリカ大会の公式球に比べ、無回転で飛んだときに、空気から力を受けて揺れる度合いが小さいことが分かったと、筑波大のチームが29日付の英科学誌電子版に発表した。

 前回南アフリカ大会で日本代表の本田圭佑選手がゴールを決めた「無回転フリーキック」の再現は難しいかもしれない。チームの浅井武筑波大教授は「不用意なぶれがないぶん、正確なパス交換には向いている」と話した。

 またJリーグは、今シーズンから公式戦でブラズーカを使用しており、国内選手は慣れているとみられる。

 サッカーボールは、合成皮革のパネルを複数枚貼り合わせて製造されるが、パネルの数やつなぎ目の長さがボールの特性を決めている。パネルの数とつなぎ目の長さはそれぞれ、ブラズーカが6枚、約3メートルで、南ア大会公式球の「ジャブラニ」は8枚、約2メートルだ。

 固定したボールに風を当てる風洞実験を行うと、ブラズーカはジャブラニに比べ、上下左右に揺れる原因となる力を受けにくかった。実際にロボットに蹴らせてみても、進行方向のぶれは少なかった。

 ブラズーカは、秒速15~25メートルで飛ぶと、進行方向と逆向きに受ける空気抵抗が小さくなる。この速度はパスの速度に相当するため、正確なパスが期待できるという。

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2014年5月29日のニュース