“ALL欧州組”で南米参戦へ!ザック監督22人視察
7月の南米選手権(アルゼンチン)に向け、日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)が欧州組総勢22人のチェックに着手した。南米選手権については東日本大震災の影響で出場辞退の方向だったが、南米サッカー連盟が国際サッカー連盟(FIFA)に対し、欧州のクラブ所属の日本人選手の招集を完全保証する超特例の措置を要望。欧州組だけでの参戦が現実味を帯びてきた。その変更に対応してザック監督が動きだした。
ザッケローニ監督の動きは素早かった。日本協会は、震災の影響で南米選手権出場辞退の方針を固めていた。しかし南米連盟は、日本の参加に向け全面支援を約束。超特例の措置として、欧州の日本人選手を招集する権利を日本協会に与えるようFIFAに要請。それが不可能でも南米連盟が責任を持って欧州のクラブと交渉することを明言した。日本協会の小倉会長は8日、出場辞退の方針を撤回。それを受けて指揮官は早速、欧州組の視察に乗り出した。
小倉会長によれば現在欧州の2部リーグ以上に所属する日本人選手は14カ国で28人。そのうち22人が視察の対象となる。8日にはコラウッティ・コーチがグルノーブルのMF松井、グイードGKコーチがリールセのGK川島の試合を視察した。コラウッティ・コーチはシュツットガルトのFW岡崎、ケルンのDF槙野も担当。さらにザッケローニ監督自らも視察第1弾としてマジョルカのMF家長をチェックすることが決定した。
過去、欧州組が最も多く招集されたのは今年3月29日の慈善試合で12人に上ったが、今回の対象はさらに10人も多い。オランダで活躍するFW宮市、DF安田、FWカレンら世代別の代表経験者はもちろん、ギリシャ、ルーマニア、エストニアなどでプレーしている無名選手もターゲットとなりそうだ。
Jリーグは既に7月のリーグ戦開催を決定しており、各クラブとも南米選手権への選手派遣に反発している。週明けには日本協会の原技術委員長が再検討を求める方針だが、先行きは不透明。ベストの陣容とはいえないが欧州組だけで臨む可能性もある。あらゆる事態を想定し、ザッケローニ監督が、過去に例を見ない総勢22人の大規模チェックを開始した。
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