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大苦戦のW杯ツアー 申し込みは定員の半分以下

[ 2010年6月5日 17:05 ]

 ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会開幕を控え、百貨店などは関連商品を拡充し、買い物客にアピールしている。世界的なスポーツの祭典にあやかり、消費低迷をけり飛ばしたい考えだ。一方、旅行業界は観戦ツアーの申し込み数が期待通りに伸びず苦戦が続いている。

 そごう・西武は一部店舗を除き、日本サッカー協会のライセンス商品などを販売するコーナーを6月下旬まで開設する。西武池袋本店では「父がファンなので、父の日のプレゼントを探しに来た」という埼玉県所沢市の女性(23)が、Tシャツを購入。販売員は「日本代表のレプリカユニホームは約1万円するが、今大会はほぼ同じデザインの約4千円のTシャツが売れる」と話す。

 そごう・西武はこのほか、不用なサッカーボールを下取りしてアフリカ諸国の子どもたちに贈るキャンペーンも21日まで展開。1人当たりボール2個までで、1個につき525円分の割引券と交換し、消費拡大を狙う。

 「試合を録画し、都合の良い時間帯に観戦する人が増えている」と話すのは家電量販大手ビックカメラの担当者。ブルーレイディスクレコーダーの販売に力を入れている。都内店舗では7万~10万円台が売れ筋だが、記憶容量が大きい15万円以上の商品も好調という。

 一方、旅行業界は苦戦している。JTBは日本対オランダ戦向けの1泊4日「弾丸ツアー」(1人当たりチケット代を除き39万8千円)などの観戦ツアーを販売しているが、申し込みは募集人数約1300人の半分にも満たないという。南アフリカは日本から遠く、治安も悪いとされ、「前回のドイツに比べ現地情報が少ないのも低迷の要因」(担当者)とあきらめムードだ。

 電通総研によると、前回大会の国内での経済波及効果は5千億円弱。四元正弘・消費の未来研究部長は、デジタル家電製品の低価格化もあり、今回の波及効果は前回の半分~3分の2程度と予想。「日本代表の活躍も左右する。初戦の踏ん張りが鍵」との見方を示す。

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2010年6月5日のニュース