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遠藤で勝った!鹿島の新星が本山の穴埋めた

[ 2010年2月28日 06:00 ]

<鹿島・G大阪>G大阪を破り2年連続5度目の優勝を決め、記念写真に納まる鹿島イレブンとオリヴェイラ監督

 シーズン開幕を告げる富士ゼロックススーパー杯は27日に国立競技場で行われ、鹿島が1―1で突入したPK戦でG大阪を5―3で下して2連覇を達成した。後半20分から途中出場したプロ4年目のMF遠藤康(21)が、切れのある動きで勝利に貢献。腰椎(つい)椎間板ヘルニアで離脱したMF本山雅志(30)が抜けたサイドハーフの定位置争いに名乗りを上げた。また、優勝した鹿島は賞金3000万円、準優勝のG大阪は2000万円を獲得した。

【試合結果


 今季はJ14連覇とACL制覇を狙う鹿島に新星が現れた。遠藤は後半20分からMFフェリペ・ガブリエルに代わって途中出場。37分に右サイドからのクロスでFWマルキーニョスの決定機を演出すると、39分には得意のドリブル突破から強烈な左足シュートで見せ場をつくった。シュートは惜しくも相手GKに阻まれたが、G大阪の強力な中盤を相手にしてもその存在感は際立っていた。

 「自分のリズムで仕掛けることができた。少しずつ試合に出られるようになって周りが見えるようになり、リラックスできてきた。モトさん(本山)がいないと言われるのは嫌。自分はモトさん以上に頑張らないと」。チームとしてタイトルをつかんだだけでなく、個人的にも大きな手応えを得た試合となった。

 今季は“構想外”からのスタートだった。クラブはオフに同じMFの香川(C大阪)や金崎(名古屋)の獲得を画策。補強は失敗に終わり、本山の抜けた定位置をフェリペ・ガブリエルと争うチャンスが巡ってきたはずだった。だが、オリヴェイラ監督は2月上旬の宮崎キャンプ中に「フェリペでやっていく。若手に責任を負わせることはできない」と明言。事実上、遠藤は失格のらく印を押されていた。

 チームメートの日本代表DF内田が「何をしてくるか分からない」と話す突破力は鹿島の中でも随一。だが、主力組に入ると連係不足で「特長が出せない」(遠藤)と実力を発揮できずに伸び悩んでいた。本山の離脱を機に出場機会が増えた今季は、13日のプレシーズンマッチ水戸戦でも得点を挙げるなど足りなかった経験も蓄積。徐々に評価を高めていった。

 この日の試合ではフェリペ・ガブリエルが連係面に課題を残したこともあり、指揮官も「(遠藤は控えの)若手から脱却するチャンス。着実に成長している」と評価を修正。開幕までの残り1週間の調整次第では、遠藤が開幕スタメンの座をつかむ可能性もある。「だいぶ手応えはあるので、今度はゴールを決められるように頑張りたい」。遠藤に鹿島の秘密兵器となりそうな雰囲気が漂ってきた。

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2010年2月28日のニュース