×

岡田ジャパン キリン杯は苦手克服マッチ

[ 2009年2月21日 06:00 ]

壇上で手を合わせる(左から)犬飼会長、キリンビール株式会社・三宅占二社長、岡田監督

 日本サッカー協会は20日、東京・本郷のJFAハウスで会見し、5月下旬に開催される国際親善試合のキリン杯で、日本代表がチリ(5月27日、長居)、ベルギー(5月31日、国立)と対戦すると発表した。6月のW杯アジア最終予選3試合に向けた強化試合となるだけに、日本代表の岡田武史監督(52)はプレッシャーをかけてくる相手と高さのある相手をどう攻略するかをポイントになりそうだ。

【日本代表レプリカジャージ


 W杯アジア最終予選のヤマ場となる6月の3試合を前に、格好の相手が乗り込んでくる。初戦のチリは昨年1月、第2次岡田ジャパンの船出で対戦した相手。4―1―3―2の攻撃的布陣が機能せずにスコアレスドローに終わったが、チリのマンツーマンで厳しいプレスをかけてくる戦術に感銘を受けた岡田監督は「どうしてもチリとやりたい」と再戦を熱望し続け、ようやくその願いが実現することになった。
 「世界でこれだけプレッシャーをかけてくるチームはない。日本はフリーでそこそこできるが、プレッシャーがかかったらできない、というのでは話にならない」。昨年10月のウズベキスタン戦は序盤の相手の猛攻に対応しきれず、ホームで引き分け。1月のアジア杯予選のバーレーン戦は厳しいプレスに後手を踏んで敗れた。6月はウズベキスタン戦、オーストラリア戦ともに敵地での戦いだけに、防戦を強いられる局面が増えるのは必至。チリ相手にどれだけ攻撃を仕掛けられるかが、岡田ジャパンの完成度の目安となる。
 欧州の中堅国であるベルギーは長身選手がそろっており、昨年10月のW杯欧州予選スペイン戦の先発メンバーの平均身長は1メートル85。高さのあるオーストラリアとの対戦に向けては、打ってつけの相手となる。過去の対戦成績は02年W杯日韓大会などで2度対戦して、2引き分け。「上を目指すには勝っていくことも大事だが、強い相手を体感するのも大事」。高さのある相手を攻略するための答えを、指揮官はベルギー戦で見いだす考えだ。
 ただし、この2試合でふがいない内容に終われば、6月の3試合に向け大きく軌道修正を迫られることにもなりかねない。絶好の“練習相手”にどこまで岡田ジャパンの完成型を見せつけることができるか。今後のチーム強化に指揮官の真価が問われることになる。

 ▽ベルギー 86年W杯メキシコ大会では4位に躍進したが、ここ数年は低迷している。ただ、最近になってFWミララス(サンテチエンヌ)、MFマルテンス(AZ)ら有望な若手が台頭。スペイン、トルコらと同組の10年W杯欧州予選でも、バンデレイケン監督(55)のもと4試合を終え2勝1分け1敗。2位につけるトルコを勝ち点1差で追っており、プレーオフ進出の可能性は十分ある。

 ▽チリ 07年8月に就任したアルゼンチン人の元アルゼンチン代表監督のビエルサ監督(53)が手腕を発揮。積極起用する若手が成長を遂げ、08年10月にはW杯南米予選で史上初めてアルゼンチンを撃破した。自動的に本大会出場権獲得となる4位をキープしている。

続きを表示

2009年2月21日のニュース