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また松浦が救った!磐田2発でJ1残留

[ 2008年12月14日 06:00 ]

<磐田・仙台>前半41分、先制ゴールを決めた磐田・松浦拓弥(中央)は駒野友一(右)、村井慎二と喜び合う

 J1、J2入れ替え戦は13日、ヤマハスタジアムで第2戦を行い、J1で16位の磐田が2―1でJ2で3位の仙台を下し、通算1勝1分けとしてJ1残留を決めた。第1戦で同点弾を決めたMF松浦拓弥(19)が、この日も2得点と大暴れ。J1勢が入れ替え戦で残留を決めたのは04年の柏以来となった。なお、ハンス・オフト監督(61)は試合後に退任を表明。後任は柳下正明コーチ(48)の昇格が有力となっている。

【試合結果


 川口が泣き崩れた。中山は喜びを爆発させた。かつての常勝軍団も、今季はサックスブルーのユニホームが色あせていた。しかし、土壇場で底力を振り絞った。後半ロスタイムにFKで失点。追いつかれればアウェーゴールの差でJ2降格だったが、ラストプレーの相手CKでは全員が体を張って同点弾を阻止。J1残留を決める、試合終了の笛が鳴り響いた。

 ラッキーボーイがまた決めた。0―0の前半41分、流れを変えたのは松浦だった。中央で小刻みなステップのドリブルで仕掛け、左サイドの前田へパス。折り返しを胸に当て、体をひねると、ボールはゴール右隅に吸い込まれた。「胸で決めたのは初めて。ラッキーです」。後半25分には相手CKのこぼれ球を駒野が大きくクリアしたボールを前線で拾い、50メートルを独走。右足で落ち着いてシュートを決めた。

 内山前監督が解任された8月27日の千葉戦で途中出場。敵将ミラー監督に「途中から出てきた左サイド(松浦)が最初から出てきたら危なかった」と言わしめた男が、入れ替え戦で全得点を叩き出して救世主となった。この日が最後のユニホーム姿となった名波からも「まだまだラッキーボーイ。もっと自分がゲームをつくらないと」と、厳しい言葉ながらクラブの次代を託された。

 試合後、9月に就任したオフト監督は「私はホリデーに入ります。辞めますから。その方がジュビロはフレッシュなスタートが切れる」と辞任を表明した。指揮官の12年ぶりの復帰が示すように、フロントの改革派と保守派の対立などが不振の原因となった。来季から入れ替え戦はなく、J1で16位以下ならJ2に自動降格する。今季は松浦に救われたが、指揮官は「新しい血液を注入する時期」とフロントを含む抜本的な改革を訴えるのも忘れなかった。

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2008年12月14日のニュース