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ローマの落日…トッティ復帰も惨敗14位

[ 2008年10月21日 06:00 ]

<ローマVSインテル・ミラノ>イブラヒモビッチのゴールを喜ぶインテルの選手たちを見つめるローマのGKドニ(左)

 イタリア・セリエA第7節の8試合が19日に行われ、ローマがインテル・ミラノに0―4で完敗した。故障者続出で開幕から苦戦続きのローマは、右ひざを痛めていたFWフランチェスコ・トッティ(32)が今季初先発したが、今季最多失点で早くも昨季に並ぶ4敗目。インテル・ミラノは単独首位に浮上した。

 終了と同時に場内にブーイングが響いた。今季最多の4失点。しかも開幕7試合で昨季と同じ4敗目を喫した。14位。昨季最終節まで優勝を争ったインテルとの差は勝ち点9まで開き、ローマが泥沼にはまり込んだ。 「一刻も早く忘れたい夜だ。ローマの成績を見ると恐怖と衝撃が走る」

 トッティは漏らした。開始5分で相手FWイブラヒモビッチに簡単に最終ラインの裏を取られて失点。その後は素早い連係でゴールに迫ったが、決定力を欠いた。後半はメクセスとパヌッチの主力を出場停止で欠いた守備陣が次々と失点し、トッティは「インテルは強すぎる」とうなだれた。

 親会社の経営難から資金不足が続く中、トッティを軸に少数精鋭で連動性が高いスタイルを突き詰め、昨季まで3季連続2位の好成績を収めた。チームの顔であるトッティを除く選手には基本的に250万ユーロ(約3億4500万円)の年俸制限を設けて出費を抑えてきたが、これが響いて昨夏はDFキブ、今夏はMFマンシーニと攻守の柱を続けてインテルに放出。逆に今夏の補強は資金不足で出遅れ、本命のFWムトゥ(フィオレンティーナ)獲得に失敗した。

 さらにスパレッティ監督が「治りかけの選手を使って故障が再発する」と認めた悪循環が薄い選手層を直撃した。開幕前のスーパー杯でトッティが右ひざ痛を再発させると、リーグ開幕から常時主力数人を欠く異常事態が続き、人材不足のひずみが一気に噴き出した。

 8月17日にカリスマとして知られたセンシ会長が死去。トッティは「会長のためにも優勝しないと」と誓ったが、振り向けば降格圏の18位と勝ち点3差だ。序盤戦とはいえ、優勝候補が残留争いに足を突っ込みかねない苦境に追い込まれた。

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2008年10月21日のニュース