藤井正弘の血統トピック

G1初挑戦ニシノティアモ、2強ラインと同じ属性

[ 2026年5月13日 05:30 ]

 今年のヴィクトリアマイルで恐らく人気を二分するエンブロイダリーとカムニャックは、どちらもサンデーサイレンスの近親交配馬。前者は3代父と祖母の父アグネスタキオンの父として「3×4」の血量18・75%、後者は父系祖父と3代母ダンスパートナーの父として「2×4」の血量31・25%でサンデーサイレンス血脈をインブリードされている。ちなみに後者の父ブラックタイドと前者の父系祖父ダイワメジャーは同じ01年産のサンデーサイレンス第10世代。後者の変則的インブリードは25歳を迎えて、なお現役という種牡馬ブラックタイドの驚くべき生命力の副産物でもある。

 同期の桜花賞馬とオークス馬にはもう一つ、血統面の共通項がある。エンブロイダリーの3代母ビワハイジはデビュー3連勝で当時の阪神3歳牝馬Sを制した95年JRA賞最優秀2歳牝馬で、前記カムニャックの3代母ダンスパートナーはオークス優勝、桜花賞2着の95年JRA賞最優秀3歳牝馬。くしくも同時期に活躍したG1牝馬のひ孫という関係性なのである。

 いわば似た者同士の2強ラインは強固だが、今回は同じ属性を持つ“第三の牝馬”がいる。G1初挑戦の5歳牝馬ニシノティアモだ。

 ニシノティアモの3代母ニシノフラワーは、デビュー4連勝で阪神3歳牝馬Sを制した91年JRA賞最優秀2歳牝馬であり、桜花賞を楽勝し、スプリンターズSで異世代のスピードスターを一蹴した92年JRA賞最優秀3歳牝馬にして最優秀スプリンター。競走馬としての実績はビワハイジ、ダンスパートナーをしのぐと言ってもいいだろう。

 ニシノティアモは父ドゥラメンテの母アドマイヤグルーヴの父、祖母ニシノマナムスメの父アグネスタキオンを経由したサンデーサイレンスの3×4。配合面にも1歳年下のクラシックホースと同じG1仕様の仕掛けが施されている。ヴィクトリアマイルは18年前、同じくG1初挑戦だった祖母が2番人気で5着に終わった因縁のタイトル。平成の名牝の“ひ孫対決”で2強に割って入るシーンも想定しておきたい。(サラブレッド血統センター)

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