“人情派”木原一良師 弟子の重賞Vで救われた「夢にも思わなかった」
さらば伯楽(4)
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今年は東西トレセンで8人の調教師(定年7人)が3月4日で引退する。ホースマン人生を振り返る連載「さらば伯楽」第4回は栗東の木原一良師(70)。8頭の重賞ウイナーを管理し、後進の育成にも力を注いだ“先生”。「出会いに助けられた」という半世紀以上のホースマン人生を回想した。
半世紀以上も馬と生きるなんて「夢にも思わなかった」。競馬と無縁の家庭に育った木原師。契機は中学卒業前。父親の友人に“体が小さいから…”と勧められ、騎手養成所に飛び込んだ。
20歳でデビューしたが、待っていたのは「地獄の日々」。所属先の富田六郎厩舎の主戦騎手は一流ぞろいで兄弟子も多く、優先順位は「7、8番目」。乗鞍が限られる上に「自分が乗って掲示板に入るとまた上(の騎手)に戻ってしまう」。初年度は勝てず、2年目も1勝のみに終わった。
3年目以降は関西に拠点を移し、7年間で28勝。ダイユウサク(91年有馬記念)などを育てた内藤繁春さんに「調教師になりなさい」と諭され、転身を決意した。騎手11年目の84年に引退。内藤厩舎で助手として働きながら猛勉強した。当時は定年制度(89年から段階的に導入)がなく極めて狭き門。試験合格まで15年を要した。「運が良かった」と謙遜するが、諦めなかったからこそ今がある。
「競馬って本当に分からない。だから、諦めちゃいけない」。最もG1の頂に近づいたテイエムジンソクが入厩したのは3歳の春。馬体の線が細く、気性難も抱えていた。デビューすら危ぶまれた、そんな馬が2年後のチャンピオンズC(2着)では1番人気。50年以上、毎日一緒にいても「馬は分からない」。答えが分からなくとも、馬づくりに没頭した毎日は充実していた。「ついこの間、開業した気がするよ。本当にあっという間だったなあ…」
自分が苦労した分、後進に愛情を注いだ。「出会いに恵まれて、こんな自分でも支えてくれる人がいた」。一番の思い出には10年ファンタジーS(マルモセーラ)、23年セントウルS(テイエムスパーダ)を真っ先に挙げる。愛弟子の田中健と富田暁が重賞初勝利を果たしたレースだ。「弟子に重賞を獲らせたよ、と自分なりに納得できた。自分は勝てなかったから…」と目尻を下げる。殊勲のマルモセーラは母となり、20年10月11日に産駒3頭(マルモルーラー、マルモマリア、マルモネオフォース)が同日V。きょうだい1日3勝は史上初。「勝てば記録だと聞いて、最後のレースは緊張でカチコチ。周囲に冷やかされたよ」。歴史に名を残した3頭の写真を誇らしげに眺めた。
同じく騎手から転身した武英智師も門下生。調教師試験を受けることを条件に助手として厩舎に招聘(しょうへい)。昨年のフェブラリーS(ペプチドナイルでG1初制覇)はわがことのように喜んだ。「この仕事は気苦労が多いだろうけど…」と親心を見せる。だが、「競馬界を盛り上げる個性的なスターホースが出てきてもらいたい。弟子の厩舎にはそのチャンスがあると思う」と懸ける期待は大きい。
調教終わりに日誌を記す日々も残りわずかになった。「一つの仕事で70歳まで全うさせてもらって感謝しかない。これからも競馬は見るよ。当たらないだろうから、馬券は買わないかな(笑い)」。馬も人も育てた人情派トレーナーの周りは最後まで笑顔に包まれている。
◇木原 一良(きはら・かずよし)1954年(昭29)4月25日生まれ、北海道出身の70歳。74年に中山・富田六郎厩舎所属で騎手デビュー。通算602戦29勝の成績を残した。84年から栗東・内藤繁春厩舎で調教助手となり、98年に調教師試験合格、99年に開業。10年新潟記念(ナリタクリスタル)で重賞初制覇。JRA通算5649戦352勝(重賞11勝)。
《富田が米から帰国、木原師に成長見せる》昨年11月から米国に遠征していた富田暁(28=木原)が師匠・木原師の定年引退(来月4日)に合わせて一時帰国した。18日、久しぶりに栗東トレセンに姿を見せ「1カ月くらい日本にいる予定です。向こうでは競馬に乗る、ありがたみを感じました。まだ3カ月しか行っていないので成長とは言えないけど、いいアピールができるように。海外の経験を生かせる時があると思う」と意気込む。帰国前の14、15日はサンタアニタパークで騎乗し、2日連続3着。早速、今週からJRAで騎乗を再開する。
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