【中山金杯】ラーグルフ激戦初夢!悲願の重賞初制覇、戸崎MVJのご利益「この先も楽しみ」

[ 2023年1月6日 05:30 ]

<中山金杯>大激戦となったゴール前。クリノプレミアムが2着、ラーグルフが1着、フェーングロッテンが3着(右から)=撮影・村上 大輔
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 中山の「第72回中山金杯」は明け4歳の1番人気ラーグルフが大接戦を制し、念願の重賞初制覇。昨春の皐月賞(8着)に挑んだ強い4歳世代の期待馬が、G1再進出への力強い第一歩を刻んだ。

 西日に照らされた中山の着順掲示板は「ハナ、アタマ、クビ、クビ」の文字が浮かび上がった。ハンデ戦を象徴する大接戦。最後に鼻をグイッと伸ばしたのは明け4歳ラーグルフだった。中団から向正面で機敏に外に出し、4コーナー手前からゴーサイン。懸命に逃げ粘るフェーングロッテンを力任せにねじ伏せると、返す刀で外から迫るクリノプレミアムを封じ込めた。

 通算10戦目の待望の重賞初V。前走・甲斐路Sで3勝クラスをオープン入りしたばかりだが、ファンも先刻承知。堂々1番人気に推した。戸崎は「内枠(3番)だし、ポジションはいいところを取りたいと思っていた。昨年は重賞2勝。大きなところ(G1)は勝てなかったので、まず1つ勝てて良かった」と新春重賞第1弾制覇にニッコリだ。

 2歳暮れのGIホープフルSでは3着に入った実力派。皐月賞(8着)にも駒を進めたが、潔くダービーは諦めた。戸崎を迎えた昨夏、新潟の月岡温泉特別Vから4戦3勝の快進撃。宗像師は「さすがはジョッキー(戸崎)。スタートも決めてくれて、うまく乗ってくれた」と昨年の関東リーディング、そしてMVJに輝いた巧腕に最敬礼した。

 心身ともに着実に成長した。昨春のように追い切りで掛かる面は消え、この日のパドックは堂々と周回した。指揮官は「落ち着きが出て、上(騎手)の言うことを聞けるようになった」と目を細めた。一方、戸崎は「ちょっとずつ成長していますね。トモ(後肢)や背腰がしっかりして、スタートもうまく出られるようになった。レースにも集中できていて、動き出しから速くて、スッと伸びてくれる。成長しているし、この先も楽しみ」と操作性がアップした相棒を称えた。

 無念の涙をのんだ皐月賞から約9カ月。同じ中山2000メートルで“初笑い”のラーグルフには輝かしい未来が待っている。宗像師は「飛躍?そうなればいいですね。来週まで馬の状態を確認して、今後を決めます。距離はこれぐらい(2000メートル)がいいかな」と中距離スペシャリストとしてさらなる活躍を祈った。昨春高松宮記念を制した同厩舎の先輩ナランフレグとの二枚看板。うさぎのように自由自在にピョンピョン!!23年のG1戦線を熱くする。

《1日4勝固め打ち》中山金杯を制した戸崎の勢いは収まらず、最終12Rも1番人気ローシャムパークで制して、1日4勝の固め打ち。5日中山で3勝したバシュロを抑え、堂々の全国リーディング首位の好発進となった。昨年136勝で関東リーディングに輝いた戸崎は「まず1つ勝てたのが何より。馬も頑張ってくれましたね。いいスタートが切れました」と目を輝かせていた。

 ▽MVJ JRAと地方、海外の指定レースを合わせた成績を勝利度数、勝率、獲得賞金、騎乗回数の項目ごとに順位付けして、その総合得点により、受賞者を決定する。

 ◆ラーグルフ 父モーリス 母アバンドーネ(母の父ファルブラヴ)牡4歳 19年2月25日生まれ 美浦・宗像厩舎所属 馬主・村木隆氏 生産者・北海道日高町のスマイルファーム 戦績10戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億2243万8000円。馬名は中世ドイツのディートリッヒ伝説に登場する武器に由来。

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