【北九州記念】富田暁×シンシティ 重賞初制覇で届ける「感謝」

[ 2022年8月19日 05:20 ]

注目の若手騎手

北九州記念に挑む富田暁とシンシティ(撮影・亀井直樹)
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 夏企画「注目の若手騎手」はシンシティとのコンビで「第57回北九州記念」に臨む富田暁(25=栗東・木原)を取り上げた。自身の重賞初制覇が懸かる一戦で師匠・木原一良師(68)に恩返しの気持ちを込め、パートナーをゴールに導く。

 ふと、自分がデビューした頃のレースVTRを見ることがあるという。富田は「ひどいものがありますね」と苦笑いを浮かべつつも「そういうのを見ると初心に戻れますし、まだまだできることはたくさんあるなと思います」と前を向く。

 壁を越えよう。今年JRA30勝。キャリアハイだった昨年の34勝が視界にはっきりと入っている。デビュー6年目、成長曲線の中にあっても「感謝」という言葉が何度も口をつく。

 「僕は人に恵まれて、支えられてここまで来たと思います。去年から少しずつ、馬に合わせて自分の中でやりたい競馬ができているのかなって。技術はメンタルが少しずつ向上して、それがかみ合ってきていますね。去年の勝ち星はクリアしたい。まずはそこを目指して、頑張っていきたい」

 北九州記念に出走するシンシティは2走前からコンビを組んでいる。ダートから芝に転じて3、2着。ともに千直で逃げの手を打ち、スピードをフルに発揮した。前走のアイビスSDも好枠をゲット。17番枠から外ラチ沿いをスイスイと逃げた。差されてはしまったが2着を確保。うまく賞金加算に成功した。

 「思い描いたプランのレースはできました。悔いのないレースはできたけど、1頭決め手のある馬にやられてしまった。悔いはないけど、勝ちたかった。セールスポイントはスタートから二の脚のダッシュ力。それにお尻が大きいですね。そこがスピードに生かされているのだと思います」

 シンシティは所属する木原厩舎の管理馬。トレーナーの定年まであと2年半あまり。強い思いがにじむ。「先生もあと2年半なので、重賞を一つは勝ちたい思いがあります。恩返しができれば。年始に立てた目標も“重賞を勝つ”でしたから」と気合が入る。

 今回は有力どころと初顔合わせ。千直で見せたダッシュ力を考えれば、きっとスピード負けはしない。自分を超える夏、重賞初Vに燃える夏。人馬一体で、希望の扉を開く。

 ◇富田 暁(とみた・あかつき)1996年(平8)12月11日生まれ、茨城県出身の25歳。栗東・木原厩舎所属。17年3月デビュー。19年8月からオーストラリアに渡り、翌年4月まで武者修行に出た。JRA通算2670戦129勝。今年の初勝利(1月8日、3歳新馬カネトシブルーム)が節目のJRA通算100勝目だった。1メートル66、51キロ。血液型AB。

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2022年8月19日のニュース