大井に3歳ダート3冠創設 24年実施、中央所属馬出走可能 適性ある馬の活躍の場増やす

[ 2022年6月21日 05:05 ]

記者会見する地方競馬全国協会と日本中央競馬会の関係者ら=20日午後、東京都内
Photo By 共同

 全国公営競馬主催者協議会、地方競馬全国協会(NAR)など地方競馬主催団体は20日、東京都内のホテルでJRAと合同会見を開き、24年に新たに大井競馬場で3歳ダート3冠競走を創設すると発表した。JRAで行われているクラシック3冠競走(皐月賞、ダービー、菊花賞)に相当する路線を地方を中心に整備。中央、地方所属の双方が出走できる、3歳ダートのチャンピオン決定戦が誕生する。

 会見ではまず、既存の南関東クラシック競走を、新たに「3歳ダート3冠競走」に位置づけることが発表された。現在、大井競馬場で地方重賞として行われている羽田盃、東京ダービーをダートグレード競走としてJpn1に格付け。賞金を増額し中央所属馬も出走可能となる。現状の3歳ダート王決定戦であるジャパンダートダービーは名称を変更の上、10月上旬に移設。菊花賞に相当する3冠目としてリニューアル。3冠競走全てに優勝した馬には、ボーナスとして8000万円が支給される。

 2、3歳ダート路線は芝に比べて競走体系の整備が不完全。現状では2歳12月の全日本2歳優駿以降、地方では3歳5月の兵庫チャンピオンシップまでダートグレード競走の開催がない。JRAも6月のユニコーンSまで3歳ダート重賞の実施がなく、半年近い空白期間が生じている。この問題を解決すべく地方競馬主催団体とJRAは20年に研究会を発足。ダート適性のある馬の活躍の場を増やすことを目的に協議を重ねてきた。

 NARの斉藤弘理事長は「97年の開始から地方競馬の発展に貢献してきたダートグレード競走が、四半世紀を経過して大きな転換期を迎えることになった。今後もJRAと共に日本ダート競馬の価値向上に努めたい」と趣旨を説明。JRAの後藤正幸理事長は書面を通じ「3歳馬競走において、より全日本的なダート競走体系の構築は非常に意義がある」とコメントした。

 実施は2年後の24年からに決定。中央、地方の出走枠や前哨戦の新設など、施策の詳細は今秋以降に発表される見込みだ。前哨戦についてJRAの臼田雅弘理事は「現状でJRA重賞の新設等は考えていないが、どのような形で中央代表馬を選ぶのが望ましいか、今後検討していきたい」と話した。まずは国内独自の格付けであるJpn1でスタートするが、将来的には国際G1への昇格も目指すという。芝と並ぶダート3冠路線の誕生は、馬主や生産者にとっても新たな選択肢となることが期待される。

 《短距離路線も整備》会見では2、3歳のダート短距離路線の整備も併せて発表された。現在、園田競馬場で5月上旬に開催されている「兵庫チャンピオンシップ」を現行の1870メートルから1400メートルに短縮。賞金を3500万円から4000万円に増額し、3歳ダート短距離路線の頂点に位置づける。これに伴い2歳秋、3歳春に地方の各主催者、ブロックごとに重賞級認定競走を新設し、路線全体の整備も図る。

続きを表示

この記事のフォト

2022年6月21日のニュース