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【宝塚記念】エフフォーリア100点!「剛」のスーパーボディー、前走大敗ダメージなく泰然

[ 2022年6月21日 05:25 ]

鈴木康弘「達眼」馬体診断

エフフォーリア

 チャンピオンホースの反転攻勢だ。鈴木康弘元調教師(78)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。中央競馬の上半期を締めくくる「第63回宝塚記念」(26日、阪神)ではエフフォーリアに唯一満点をつけた。達眼が捉えたのは前走・大阪杯(9着)のダメージをみじんも感じさせない立ち姿。年度代表馬に輝いた昨年と変わらないスーパーボディーでグランプリ秋春連覇へ前進した。

 昨年のMLBワールドチャンピオン、アトランタ・ブレーブスが6月に入って14連勝。今春の低迷から脱出しました。試合に勝っても負けても顔色ひとつ変えないブライアン・スニトカー監督。「スニトカーはページをめくって、試合後の彼を見ても、勝った後なのか負けた後なのかも分からない」(スポニチアネックス)。そんな泰然自若とした采配がチームを再び軌道に乗せたのかもしれません。

 昨年、JRAのチャンピオンホースに輝いたエフフォーリア。鹿戸調教師もさることながら、馬の泰然自若ぶりも見上げたものです。天皇賞・秋、有馬記念を連勝した昨秋と全く変わらない姿で立っています。過不足なくハミをかみながら瞳を輝かせている。穏やかな中に闘志をたたえた、いつも通りのたたずまいです。

 大阪杯(9着)では初めて大敗を喫しました。スタート時に発馬機の前扉に頭を強打し、その後の数日間、額に腫れが残っていたそうです。道中の行きっぷりの悪さを見ると、軽い脳振とうを起こしたのか。あるいはアクシデントに闘志がなえたのか。ともあれ、そんな手痛い敗戦のダメージも全く残っていません。スニトカー監督のように、勝った後なのか負けた後なのかも分からない。泰然自若とした立ち姿です。

 超一流馬ならではの強靱(きょうじん)で機能性に富んだ馬体。奇麗に抜けた首差しと滑らかに傾斜した肩(肩甲骨)がダイナミックなフットワークを生み出します。車のエンジン部にあたるトモ(後肢)と絶妙な角度でリンクした飛節が、トモのパワーを逃さず推進力に変えています。抜けたキ甲(首と背中の間の膨らみ)は完成度の高さを示しています。そんな骨格には強靱な鋼のような筋肉がバランス良く付いている。漢字1字で表すなら、昨年同様、「剛」のスーパーボディーです。

 休み明けでも腹周りは引き締まっている。大阪杯時に装着していた両前の肢巻きを外して、腱がしっかり浮き出た脚を見せています。加減せずに調教を積める丈夫な脚元。調整過程に狂いがないのも脚を見ればうなずけます。

 アトランタ・ブレーブスのような6月の反転攻勢はなるのか。スニトカー監督ばりの泰然自若とした姿がその可能性を伝えています。(NHK解説者)

 ◇鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の78歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~04年に日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなど27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。

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