遠藤エミ涙の女子史上初ボートSG制覇!眠れなかった決戦前夜「普通にしようと思っても凄い緊張が…」

[ 2022年3月21日 21:13 ]

<SG第57回ボートレースクラシック>優勝を決めポーズを取る遠藤エミ(撮影・中村 達也)
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 ボートレース発祥の地で、今年最初のSGで歴史の扉が開いた!ボートレース大村のSG「第57回ボートレースクラシック」の優勝戦が21日、第12Rで行われた。1号艇の遠藤エミ(34=滋賀)が逃げ快勝。女子レーサーとして史上初のSG優勝を成し遂げた。

 「めちゃくちゃうれしいです。今までにないぐらいの緊張だったけど、緊張を感じながら逃げないように行こうと思っていた。エンジンは抜群でした」

 前検日から勝利の女神がほほ“笑み”を絶やすことはなかった。エンジン抽選で引き当てた68号機は近況の動きはトップクラス。前回使用者は、偶然にも同じ102期の河野真也(32=福岡)。養成所時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲間でもありライバルでもある河野の魂がエンジンに宿っていたのかもしれない。オール3連対で予選トップ通過を果たし、準優、優勝戦も逃げ切って文句なしのVロードを完遂してみせた。

 レース直後のインタビューで眠れなかった前夜の感情を「普通にしようと思っても凄い緊張が…感じたことのない感情」と淡々と語っているように見えた遠藤。感想を求められ「ちょっとまだ分からない」と笑顔も見せた。しかしファンに向けてのコメントを求められると自然と涙がこぼれた。「いつも応援ありがとうございます。皆さんの声援が力となってこういう結果が出たと思います」と声を震わせ絞り出し、「これからも応援よろしくお願いします」と話すと再び瞳から涙がこぼれた。1952年に初の女子選手が登録されてから70年。寺田千恵、横西奏恵に続き女子選手史上3人目(通算4度目)となるSG優出を決めた遠藤が、見事に重圧をはねのけボートレースの歴史に新たな一ページを刻んだ。

 遠藤は予選を6戦3勝、2着1回、3着2回でまとめ、女子では初となるSG予選1位通過を決めた。準優勝戦を1着でクリア。優勝に最も近いとされる1号艇を手に入れ、1番人気に支持されていた。

 ◇遠藤 エミ(えんどう・えみ)1988年(昭63)2月19日生まれ。滋賀支部所属の34歳。102期生として2008年5月にびわこでデビュー。09年12月にまるがめで初優出。12年11月に鳴門で初優勝。17年12月クイーンズクライマックスでG1初優勝。通算129優出37V。主な同期は上野真之介、前田将太らがいる。身長1メートル55、44キロ。血液型A。

 <過去の女子レーサーのSG優勝戦1号艇> 2001年6月に寺田千恵が唐津競艇場(当時)で行われたSGグランドチャンピオン決定戦競走で女子選手では初めてとなる優勝戦進出を1号艇で果たした。しかし優勝戦はスタートで後手を踏み5着に終わっている。

 横西奏恵は2006年に平和島で行われたSG第41回総理大臣杯(当時)と2011年に尼崎で行われた東日本大震災被災地支援競走・SG第38回笹川賞(同)の2度優勝戦に進出も2レースとも6着に終わった。

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