【フェブラリーS】タイムフライヤー 自己ベスト坂路4F51秒5!横山武「ダイナミックな走り」

[ 2022年2月18日 05:30 ]

横山武史を背に坂路をダノンシティ(右)と併せ馬で追い切るタイムフライヤー
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 22年のJRA・G1開幕戦となるダート王者決定戦「第39回フェブラリーS」の出走馬が確定した17日、メンバー唯一の木曜追い切りを行ったのが芝G1馬タイムフライヤーだ。新コンビの横山武史(23)が栗東に駆けつけ、この日の坂路1番時計タイとなる4F51秒5をマーク。馬なりのまま自己ベストをコンマ1秒縮め、併走馬に首差先着した。二刀流ホースが万全の仕上がりでダートG1奪取を狙う。枠順は18日に決定する。

 東の若武者を背に7歳タイムフライヤーが目覚めた。初コンビの横山武がまたがり、坂路に登場。ダノンシティ(6歳3勝クラス)を追い掛け、ラスト1Fで首差グイッと前に出ると馬なりのままリードを保ってフィニッシュした。4F51秒5はこの日の1番時計タイ、自身が3歳秋にマークした自己ベストを0秒1更新。年齢を感じさせない活気あふれる動きに鞍上も好感触を口にする。

 「ダイナミックな走りでしたね。手前を替えるのが苦手と聞いていましたが、小さいアクションで一発で替えてくれた。初めて乗ったので比較はできないですが、内容的に雰囲気良く終えられたと思います」

 昨年G1・5勝を挙げた東のホープとの初コンタクトを見守った橋口師も満足げだ。「53秒ぐらいの予定で思ったより速くなったけど持ったままで先着しましたからね。前走時の稽古では手前を替えてなかったが、奇麗に替えていたし、バランスも良くなっている」と上昇ぶりに目を細めた。

 松田国英厩舎でデビューし、17年ホープフルSを制した芝G1馬。昨年2月で定年解散となった名門から橋口厩舎へ転厩後、約1年がたった。指揮官は「右トモを傷めやすかったが、バランスが良くなって解消されてきた。うちの厩舎に来てから状態は一番かもしれない」と太鼓判を押す。

 天気も味方しそう。週末の東京は雨予報だが、指揮官は「走りが軽いタイプだし、馬場が軽くなるのはいいと思う」とスピード決着を歓迎。2年前のフェブラリーSは良馬場で5着だったが走りやすい馬場になれば、さらに上を目指せる。

 横山武は昨年暮れに栗東で調教に騎乗したキラーアビリティを見事、ホープフルSで勝利に導いた。エフフォーリアで制した有馬記念からJRA・G1・3連勝が懸かる鞍上は「楽しみにしつつ、週末を待ちたいなと思います」と力を込める。タイムフライヤー自身、17年ホープフルSの勝利から4年が過ぎた。馬名の通り時を超え、再びビッグタイトルをつかみ取る。

 《息の長い血統》橋口慎介師はJRA通算991勝を挙げた弘次郎元調教師を父に持つ。タイムフライヤーの父ハーツクライは現役時代、弘次郎氏が管理していた。さらに母タイムトラベリングの6歳上には今月10日に24歳で死んだタイムパラドックスがいる。橋口師は「伯父さんの弔いを」と意気込む。タイムパラドックスはフェブラリーSに3度挑戦し、04年6着→05年4着→06年9着と勝利はならなかったが、8歳で挑んだ06年JBCクラシックを制覇。長く活躍できる血統でもあり、7歳のタイムフライヤーもまだまだやれる。

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2022年2月18日のニュース