【エ女王杯】テルツェット 春の無念晴らす!ヴィクトリアM14着も気性面成長

[ 2021年11月13日 05:30 ]

テルツェット
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 トレセンの最前線で取材する記者が気になる穴馬に迫る秋の連載企画「G1リベンジャーズ」。土曜付は決断の日だ。特捜チケンこと鈴木智憲記者の「エリザベス女王杯」の本命はテルツェット。G1初挑戦だった今春ヴィクトリアマイルは14着。気性面が成長した今回、2度目のG1挑戦でリベンジを果たすとみている。

 テルツェットの最終追いはWコースで5F71秒3と軽めだった。その意図について和田正師は「負荷をかけるというよりは、力みを取るような感じ。力をつけてきているけど、その分テンションが上がりやすくなっているので。走りは良かったし先週、今週と中身の濃い調教ができた」と説明した。

 G1初挑戦だった今春のヴィクトリアマイル。4連勝で臨んだこともあり3番人気に推されたが、本来の差し脚を発揮できず14着に敗れた。M・デムーロは「二の脚でついていけなかった。直線もジリジリとしか伸びなかった」と回顧。その理由を師は「気負い過ぎて力を出し切れなかった」と分析した。そこで陣営は落ち着いてレースに臨めるような調教にシフト。その成果は早速、前走のクイーンSで表れた。

 ルメールはリズム良く運ぶことを重視して、いつものように後方から運んだ。4角でも11番手。わずか260メートルしかない函館の直線では万事休したかと思われたが、メンバーNo・1の末脚(上がり3F35秒2)を繰り出して、先に抜け出した1番人気マジックキャッスルを首差捉えた。ルメールは「春のG1では難しかったけど、パワーアップすれば秋は楽しみ」と高評価。指揮官は「馬群の中で冷静に巧みに誘導してくれた。彼女(テルツェット)も冷静でした。終始リズム良く走れたのが大きい。馬群からひるまずに伸びてくれた」と喜んだ。

 これまでマイル戦で好成績を挙げてきたが、クイーンS(1800メートル)でコーナー4度の競馬を克服。指揮官は「血統からも距離はこなしてくれそう。小さな体を大きく見せて、いい馬になりました」と期待の口ぶり。母の母ラヴズオンリーミーは、先日の米G1・BCフィリー&メアターフ(芝2200メートル)を勝ったラヴズオンリーユーの母。同馬は日本のオークスも勝っており、血統的裏付けは十分だ。テルツェットが春の東京で喫した無念を、秋の阪神で晴らす。(8)から。

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2021年11月13日のニュース