ばんえい競馬 厩務員も馬の頭部蹴る行為で戒告処分 騎手に続き 市に抗議1563件

[ 2021年4月30日 15:02 ]

記者会見した帯広市農政部の佐藤徹也参事(左から2人目)
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 ばんえい競馬を運営する帯広市農政部は30日、今年度の新馬に出走資格を与える能力検査での不適切行為について記者会見を開いた。21日に発表した鈴木恵介騎手(44)がドウナンヒメ号(牝2)の頭部を蹴った件のほか、22日以降に行った調査で平田隆司厩務員(58)にもガリバー号(牡2)の頭部を蹴る行為があったことが判明。平田厩務員は鈴木騎手と同じ戒告処分とした。鈴木騎手は23日の今年度開幕から騎乗を自粛。平田厩務員も活動を自粛している。

 戒告処分の理由は「厩舎関係者の責務に反し、競馬に対する不信を招く行為を行った」こと。ばんえい競馬が帯広単独開催となった07年度以降に3件あった、馬の頭や尻を物で叩いた事例での処分を参考にしたという。平田厩務員が所属する厩舎の鈴木邦哉調教師(67)も管理責任で厳重注意した。農政部の佐藤徹也参事は深々と頭を下げ「動物愛護という観点から厳しい目で見られて当然。ばんえい競馬の信頼を失う大きな事案になり、反省している」と語った。

 能力検査は動画が一般公開され、競争中に坂で座り込んで起き上がれない馬の顔を鈴木騎手が蹴る様子が確認できる。市には抗議、問い合わせが30日現在で1563件(電話795、メール701、他67)あった。佐藤参事は再発防止策として、競馬における動物愛護についての指導・教育の徹底、監視体制の強化を挙げた。同様の行為が日常的に行われているのではないか、とする疑問には「当然やっていないと騎手会、調教師会に確認した」と答え、今後も過去の映像を使って再検証していくという。

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