【フラワーC】ホウオウイクセル メジロの血がクラシック導く 祖母ドーベルを追い、目指すはオークス

[ 2021年3月17日 05:30 ]

ホウオウイクセル

 大舞台へのチケットゲットへ向け、名門「メジロ」の血が騷ぐ。土曜中山のメインは「第35回フラワーC」。桜花賞、あるいはその先のオークス出走を目指す3歳牝馬が集まった。前走・フェアリーS2着のホウオウイクセル(牝3=高柳瑞)は、賞金加算をもくろんで出走。祖母にG1・5勝のメジロドーベルを持つ良血馬が、初の重賞制覇を狙う。

 ホウオウイクセルの血統表には、日本競馬の歴史を物語るような馬名が並ぶ。祖母メジロドーベルをはじめ、6代前の母メジロクインまで母系には「メジロ」の冠名が名を連ねる。2代前はキングカメハメハ(NHKマイルC、ダービー)、エアグルーヴ(オークス、天皇賞・秋)、スペシャルウィーク(ダービー、天皇賞・春秋、JC)、メジロドーベル(阪神3歳牝馬S、オークス、秋華賞、エリザベス女王杯2勝)とビッグレースを制した馬が占める。この血統を見るとやはり桜花賞というより、オークスでの走りを見てみたくなる。

 マイル戦の前走・フェアリーSは8番人気の低評価を覆して2着。4角10番手からメンバー3位の上がり3F(35秒2)を繰り出した。丸田は「流れに乗れていい競馬だった。凄く器用で動き出しの反応がいい。距離延長はいい」と評価。高柳瑞師は「本番でしっかり走れるタイプ。前走は思った以上に頑張ってくれた。長く脚を使ったし、距離は大丈夫と信じている」と頬を緩めた。

 実際、未勝利勝ちは1800メートル戦だった。小回りの福島コースとはいえ、4角7番手から最速の上がり(3F36秒0)で差し切った。「まだ華奢(きゃしゃ)だし、普段は弱々しくてかれんな感じ。前走も最終追いだけはピリッとしたけど、半信半疑な部分もあった。ただ今回は前回よりいい雰囲気で出せるかな」と師。現在の収得賞金は1100万円。出ようと思えば桜花賞への出走はかないそうだが「使うかどうかは分からない」と明言を避けた。

 メジロといえば、創始者の故北野豊吉氏が天皇賞制覇に強いこだわりを持っていたことから、長距離戦で好成績を収めてきた。メジロアサマ→メジロティターン→メジロマックイーンの父子3代天皇賞制覇の偉業も成し遂げている。脈々と流れる名門の血が、ホウオウイクセルをクラシックロードへ導く。

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