【前橋・寛仁親王牌】脇本“無双”圧逃V!世界レベルの脚力見せつけ5度目のG1制覇

[ 2020年10月19日 05:30 ]

<前橋競輪>第29回寛仁親王牌を制しガッツポーズの脇本雄太
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 脇本が力でねじ伏せた。G1「第29回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」の決勝戦が18日、前橋競輪場で行われ、脇本雄太(31=福井・94期)が逃げ切って優勝。6月の高松宮記念杯以来、5回目のG1優勝を決めた。寛仁親王牌は18年以来2回目。グランドスラムを狙った新田祐大(34=福島・90期)は捲り及ばず2着止まり。今年の残るG1は競輪祭(小倉、11月18~23日)だけとなった。

 脇本が逃げる、新田が追う。東京五輪日本代表2人による究極のスピード比べ。脇本が3/4車身振り切った。ガッツポーズで喜びを表現した。

 「勇気を持って仕掛けられた。(先行選手として)先行で勝てたこともうれしいし“勝って当たり前”というプレッシャーの中で勝てたこともうれしい」。理事長杯でも踏み合いを演じた両雄。「初日から新田さんとの戦いだった」(脇本)。決勝も残り3周から8番手脇本、6番手新田でけん制し合った。残り2周前から脇本が前の新田の動きを見極めて一気にスパート。新田もすかさず反応。脇本―東口を追う。だが脇本が1周半以上を先頭に立って新田と東口を振り切った。

 「(寛仁親王牌は)ゆかりのある大会。2年ぶりの出場だったし勝ちたかった」と語り、汗を拭う。若き脇本がG1初の決勝戦進出を果たした(10年)のが、この大会だった。決勝戦。尊敬する村上義弘、市田佳寿浩(福井=引退)の近畿の先輩2人に前を任され、先行した。脇本の頑張りは市田のG1初優勝を引き出し、近畿勢の結束力を見せつけた。あれから10年。脇本は堂々の横綱相撲で5度目のG1制覇を飾るまでになった。

 今後はナショナルチームで通常の練習を重ね、G1小倉競輪祭、そして平塚グランプリ(12月30日)へ。「(ファンの前で)走るレースは限られている。一戦一戦に集中したい。今年はグランプリを獲りたい。今はそこ(優勝)を目指したい」。まさに心技体充実。脇本時代を強烈に印象づけた。

 ◆脇本 雄太(わきもと・ゆうた)1989年(平元)3月21日生まれ、福井県福井市出身の31歳。県立科学技術高卒。08年7月プロデビュー。通算763戦282勝。通算取得賞金は6億8602万円。主な優勝は第61回オールスター競輪(18年)。第27、29回寛仁親王牌(18、20年)。第73回日本選手権競輪(19年)。第71回高松宮記念杯競輪(20年)。趣味はゲーム全般、特技はスケート。1メートル80、82キロ。血液型A。

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