【秋華賞】謙虚な和田竜ウインマイティーで“リベンジ”一発期待

[ 2020年10月16日 05:30 ]

厩舎周りで運動するウインマイティー
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 【競馬人生劇場・平松さとし】秋のG1戦線が幕を開けた。今週末は秋華賞(G1)、来週末は菊花賞(G1)が行われる。いずれも“無敗の3冠馬誕生なるか!?”が話題になっているが、13年前の菊花賞で悔しい思いをしたのが和田竜二騎手だ。手綱を取ったアルナスラインでアサクサキングスの2着に敗れた直後、話をする機会があった。彼は言った。

 「惜敗であるほど悔しいです。菊花賞はテイエムオペラオーでも2着に負けたレースなのでいつか勝ちたいです」

 座右の銘を「偉くなくても正しく生きる」という和田騎手には、師匠である岩元市三元調教師に言われ、今でも胸にとどめている言葉がある。

 「どれだけ成功しても常に謙虚でいなさい」

 成績を出すと態度の変わる人も多い中、和田騎手が昔から変わらぬ姿勢を貫いているのは師匠の教育も大きく影響しているのだろう。

 同騎手は1996年、福永祐一騎手らと“花の12期生”と呼ばれデビュー。いきなりその年に岩元厩舎のサージュウェルズでステイヤーズS(G3)を優勝。同期で最も早い重賞制覇を飾った。先出のテイエムオペラオーとは99年に皐月賞を優勝。これまた師匠が管理していた同馬とは、2000年に春秋の天皇賞や有馬記念などG1を5勝。この快進撃は今も語り草となっているが、同馬の晩年には悔しい思いを何度もした。01年は宝塚記念などG1での2着が3度もあったのだ。

 そんな和田騎手が久々にG1を制したのが一昨年のミッキーロケットによる宝塚記念。17年前に惜敗したレースで雪辱を果たしてみせたのである。

 同騎手は今週の秋華賞ではウインマイティーに騎乗する。同馬は今春のオークス(G1)で直線1度は堂々抜け出すも、最後に差されて惜敗の3着。また、和田騎手にとって秋華賞はシゲルピンクダイヤとのコンビで挑んだ昨年、クロノジェネシスの3着に敗れた悔しいレースでもある。デアリングタクトなど強敵ぞろいではあるが、常に謙虚な和田騎手の一発を期待したい。 (フリーライター)

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2020年10月16日のニュース