【秋華賞】熟成ソフトフルート抽選突破!松田師に3歳G1“最後の果実”を

[ 2020年10月16日 05:30 ]

厩舎周りで運動するソフトフルート
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 牝馬3冠目の「第25回秋華賞」(18日、京都)の出走馬が15日、確定した。重賞未経験のソフトフルートが6分の4の抽選を突破。数々の名馬を育てた松田国英師(70)が早くから素質を評価してきたディープインパクト産駒が、最後の1冠で一発逆転に挑む。

 15日の午後2時すぎ、秋華賞の出走メンバーが確定した。JRA・G1・14勝の松田師が管理するソフトフルートは「6分の4」の抽選を突破してゲートイン。投票所で出走メンバー一覧表を手にした指揮官は笑顔で喜びを語った。

 「うれしいですね。出走馬の18分の1に入れたし、勝つチャンスもありますから。馬を預かっている以上はもちろん、G1を勝ちたいと思いますからね」

 デビューしたのは、ちょうど1年前の秋華賞当日。G1と同じ芝2000メートルの新馬戦は4着に敗れたが、松田師が「最初から能力を感じていた」と言う期待馬。初勝利に5戦を要したものの、その後は着実にステップアップし3勝を挙げた。

 秋初戦の前走は圧巻のパフォーマンス。直線で内から鋭く伸び、4馬身差の楽勝だった。「夏場に北海道に放牧。馬体は水っぽさが抜けて、筋肉の張りが変わっていた」と成長に目を細める。勝ち時計の2分0秒0は、1週前に行われたローズSより0秒1遅いだけの好タイム。師も「時計を比較しても、(秋華賞に)出られればやれるかなと思っていた」と高く評価する。

 タニノギムレット、キングカメハメハのダービー馬など数々の名馬を育て上げた名伯楽も、来年2月いっぱいで定年引退。3歳限定G1は、このレースがラストになりそう(菊花賞登録のヒートオンビートは除外対象)だが「2月の最後になればまた違うかもしれないが、今は粛々とやるだけですよ」と自然体を貫く。

 秋華賞は07年ダイワスカーレットでV。先行押し切りで人気を分け合ったウオッカ(3着)を下した。抽選突破の幸運も味方に“大物斬り”に挑む一戦。「G1を勝つには成長も大事。無理して使ってこなかったし、結果的に出られて良かった。“持っている馬”ですね」。名伯楽は不敵に笑った。

 ◆ソフトフルート 園芸用語でイチゴなどの果実の意。母ストロベリーフェアからの連想で命名された。

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2020年10月16日のニュース