競馬場に230日ぶりファンが帰ってきた 観戦エリア区切られ、観客少なくても感慨深げに「家とは大違い」

[ 2020年10月11日 05:30 ]

東京競馬場でパドックを周回する出走各馬を見る観客(撮影・郡司 修)
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 JRAでは10日の東京、京都、新潟競馬から、ネット予約で指定席を購入したファンに限定して入場を再開した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月29日から無観客競馬を実施。一般のファンを入れての開催は230日ぶりとなった。この日は東京694人、京都539人、新潟418人の有料入場者があった。

 あいにくの雨の中、東京競馬場ではG1フェブラリーSが行われた2月23日以来の目前での競馬を見ようと、JR府中本町駅側の西門では指定席を購入済みにもかかわらず、午前9時の開門前から約50人のファンが行列をつくった。

 入場にはマスク着用、検温、消毒液での手の消毒が義務づけられた。列の先頭に並び、真っ先に競馬場に足を踏み入れた東京都三鷹市在住の松村篤典さん(50)は「(来場するのは)フェブラリーS以来。やっと。待ってましたという感じです。(入場できない間は)ネットで買ってました」と喜びをあらわにした。競馬歴50年という神奈川県藤沢市在住の西郷和昭さん(76)は「1カ月に3回は競馬場に来ていた。シンボリルドルフも、ディープインパクトも、ブエナビスタも目の前で見た。PATで買っていたけど、家と競馬場では大違いだね」と感慨深げだった。

 ゴール前の電光掲示板には「競馬場へおかえりなさい! お客様とともに 夢と感動とともに また競馬が走り出します」と、待望の一日を祝うメッセージが表示された。

 京都競馬場にも午前8時45分の開門前に待ち切れない多くのファンが詰めかけた。8時4分に一番乗りした兵庫県宝塚市在住の岡崎衛さん(62)は「いつもならたくさん人がいるのに(少なくて)ビックリした。馬を見られなかったので少しでも(競馬場の)空気を吸いたかった。今日は1人だけど仲間と来たいですね」と声を弾ませた。

 ファンの野外観戦についてはエリアが3段階に区切られて4コーナーからゴール前約150メートル地点までは外ラチから約7メートル離れた所で観戦が可能。ただ、ゴール前約80メートル地点からゴール付近までは野外観戦はできない。パドックエリアも立ち入り可能だが柵から6メートル付近に花壇が置かれ、その外側のみ。京都1Rをマルモルーラーで勝った幸は「まだまだお客さんは少ないけど、これからたくさんのファンの方が戻ってくれば僕らのモチベーションになりますね」と笑顔で語った。

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