高校生の生産馬に2750万の高値!マクフィ産駒「テイエム」竹園氏が落札

[ 2020年8月26日 05:30 ]

マクフィ産駒牡馬のマドリガルスコアの2019をなでる北海道静内農業高校の生徒たち
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 25日に開幕した競走馬セリ「北海道サマーセール」(新ひだか町・北海道市場)で、北海道静内農業高校が生産した「マドリガルスコアの2019」(牡、父マクフィ)が2750万円(税込み)の高値で落札された。同高は国内で唯一、授業の一環として競走馬を生産、上場している公立校として知られるが、生産馬の取引額としては史上最高額。来年のデビューへ向け、夢が大きく膨らんだ。

 高校生が手塩にかけて育てた競走馬が、セリで驚きの高値をつけた。サマーセール初日に上場された「マドリガルスコアの2019」。英仏G1馬の父マクフィは日本での初年度産駒である現2歳が好スタートを切ったこともあり、250万円から始まったセリは白熱。「テイエム」の冠名で競走馬を所有する竹園正繼氏が2500万円(税込み2750万円)で落札した。同高の生産馬としては史上最高額。この日のセリでも2位となるビッグプライスだった。

 同高は授業の一環として、生産科学科・馬コースの生徒が毎年1頭の競走馬を生産。コース分けは2年生からで現在、3年生9人、2年生16人の計25人が在籍する。今回の落札馬は昨年5月25日に誕生。健康で夢が叶(かな)うようにと「健叶」(けんと)と命名。出産から育成、セリへの上場までを現3年生が担当した。会場でセリを見守った担当教諭の小林忍さん(31)は「毎年、最初の“ひと声”が掛かるかが心配。今年も手が上がったのに安心して、あとは生徒の表情ばかり見ていたので、金額を目にしたのは落札後。驚きました」と話した。例年なら担当した生徒全員でセリ会場を訪れるが、今年は新型コロナの影響で代表3人のみが来場。「みんな泣いていました。うれしかったです」と声を震わせた。

 今春は新型コロナの影響で、同高も約2カ月間の休校を余儀なくされた。休校中は小林教諭を含めた職員数人で馬の世話をした。「生徒たちが餌や運動時間などを考えて育てた馬。学校に戻ってくるまで、何かあってはいけないと必死でした」と振り返る。

 同高生産のサラブレッドは05年デビューのユメロマンがJRA3勝、10年デビューのゴーゴーヒュウガが同2勝を挙げている。先輩馬をはるかに超える落札額で取り引きされた「健叶」への期待は高まる一方だが、小林教諭は気を引き締める。「9月7日に馬主さんへ引き渡します。ケガをさせたりしては大変。それまでは緊張の連続です」

 同馬は順調なら来年、栗東所属でデビュー予定。コロナ禍の夏に始まった高校生の夢物語。大舞台で疾走する「健叶」の雄姿を、生徒だけでなく、馬産地全体、そして競馬ファンも願っている。

 【初JRA新馬Vは05年ユメロマン】静内農は78年の開校時から競走馬を生産。当初はアラブだったが、00年からサラブレッドに転向。02年生産のユメロマンが初のJRA新馬Vを飾った。昨年から繁殖牝馬が2頭体制となり、今年はもう1頭のナリタトップスターが父マクフィの牡馬を出産。現在はマドリガルスコアがアニマルキングダムを受胎している。また落札馬の1歳上の兄であるトミケンハルト(水野)は札幌でのデビューを予定している。

 ▽サマーセール HBA日高軽種馬農業協同組合が主催し、上場頭数1000頭を超える国内最大規模のサラブレッド1歳市場。バリエーションに富む内容となっており、玄人購買者には魅力的な市場として定評がある。今年は25~28日の4日間で開催。初日の25日は280頭が上場され、213頭が売却。最高落札額は「タムロウイングの2019」(父シニスターミニスター)の3520万円(以下全て税込み)、平均落札額は748万1549円、合計では15億9357万円を売り上げた。

 ▽静内農業高校 北海道新ひだか町静内田原にある農業高等学校。78年開校。日本の道百選に選ばれ桜の名所としても名高い「しずない二十間道路」に隣接し、恵まれた自然環境のもとで農業教育を行っている。現在は123人の生徒が在籍。食品科学科と生産科学科の2学科を展開しており、公立高校としては日本で唯一、軽種馬の生産育成を行っている。

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