菜七子 “特別扱いお断り”の裏で見せた心配り

[ 2020年4月26日 05:30 ]

シルバージャックに乗りJRA通算100勝を達成した藤田菜七子は記念ボードを手に笑顔を浮かべる (撮影・西川祐介)
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 【記者フリートーク】菜七子21歳の誕生日の2日前。カメラマンとバースデーケーキ持参で、騎乗していた浦和競馬場に出向いたことがあった。当時はすでに自力で勝ち星を積み重ね、独り立ちしかけていた時期。心のどこかで“特別扱い”は嫌がるかなと思っていたが、その予感は的中した。いつもの菜七子の笑顔はなく「もう、こういうのはやめてほしいです」とつらそうに告げられた。今にも泣きそうな表情だった。

 悪いことをしたなと自戒の念に駆られていると、足早にタクシーに乗った菜七子から長文のメールが届いた。詳細は明かせないが、そこには「写真撮影に応じず申し訳ありません」とたくさんの謝罪の言葉が。今度はこっちがうるっと来た。腕一つで騎手として戦っているからこそ、女性としての特別扱いを嫌った菜七子。重賞初勝利、JRA通算100勝。“女性騎手初”の冠を付けなくても、誇れる記録が増えてきた。成長した技術だけではない。早くから貫いた彼女のプライド、そして周囲への心配りが今の躍進ぶりにつながっていると思う。(高木 翔平)

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