菜七子、女性騎手初のJRA通算100勝!「達成できたことに感謝」

[ 2020年4月26日 05:30 ]

シルバージャックに乗りJRA通算100勝を達成した藤田菜七子(右から2人目)は(左から)西村淳也、坂井瑠星、菊沢一樹、(1人おいて)吉田隼人に祝福されるがなぜか ”1000勝” ポーズ?! (撮影・西川祐介)
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 藤田菜七子(22)が25日、女性騎手初となるJRA通算100勝を達成した。通算2150戦目の福島1Rを1番人気シルバージャック(牡3=和田正)で鮮やかに逃げ切りV。16年4月にJRA初勝利を挙げた思い出の福島競馬場で記念すべき大台到達となった。

 マスクを着用した同期の菊沢、坂井らが祝福する記念撮影で、菜七子ははにかんだように笑っていた。デビュー5年目の同期6人の中で4番目のJRA通算100勝到達。菜七子は「達成までの道のりは、ケガなどもあってなかなか思うようにいきませんでしたが、周りの方々のサポートや応援のおかげでこうして無事達成できたことに感謝しています」と喜びを語った。

 快挙達成の瞬間は1R。まずはゲート内で横を向いたシルバージャックの手綱を優しく数回引いて集中させた。好スタートを決めて迷いなくハナへ。4角で怪しくなる好位勢の手応えとは対照的に、馬なりで差を広げた。直線は独走態勢で5馬身差の圧逃劇だ。レース後は「こういった状況の中で無観客ではありますが、競馬ができることに感謝していますし、ファンの皆さまがテレビの前で応援してくださっていることを、とてもうれしく思っています」とメッセージを送った。

 JRA初騎乗は16年3月5日の中山2R(ネイチャーポイント2着)だったが、初勝利は福島競馬場で決めた同年4月10日の9Rサニーデイズ。当時は肩にかからないほどの短髪で、重圧から解き放たれたレース後は思わず涙。あれから4年。18年8月にJRA女性騎手最多勝利(35勝)を挙げ、19年12月カペラS(コパノキッキング)でJRA女性騎手初の重賞Vも決めた。この日の菜七子は伸びた髪を後ろで束ね、すっかり大人びた表情。自身のことだけでなく、コロナ禍に揺れる競馬界全体に目を向け「福島でたくさんのファンに囲まれて初勝利した時とは違って、無観客競馬での記録達成は凄く寂しい。早く皆さまが競馬場に来場できるようになってほしいと願っています」と話した。

 2月の落馬事故で左鎖骨を骨折し、20年のスタートは順風満帆とはいかなかった。それでも通算2150戦目でついにたどり着いた大台。ステイホームの競馬ファンに贈る記念の100勝目だ。

 ▼根本師 今日のラインアップを見たとき1R(シルバージャック)で達成できるのではと思っていました。菜七子にそう言うと「そうなればいいですね」と言っていました。無観客だけれど1番人気。応援してくれた方が多い中で達成できたのでよかったです。他厩舎の人から“菜七子で勝つと馬主さんが喜んでくれる”とよく言われます。今後も勝利数を積み重ねていってほしいですね。

 ◆藤田 菜七子(ふじた・ななこ)1997年(平9)8月9日生まれ、茨城県出身の22歳。根本康広厩舎所属。16年3月5日にデビュー。JRA通算2154戦100勝(25日現在)。趣味は読書、音楽鑑賞。特技は睡眠。目標の騎手はリサ・オールプレス。座右の銘は日進月歩。1メートル57、46キロ。血液型A。空手初段、剣道2段。18年に「第3回黒髪美人大賞」受賞。

 【菜七子メモリアル】
 16年4月10日 福島9R JRA51戦目で初勝利。相棒はサニーデイズ。  5月28日 東京2R 所属する根本厩舎のネイチャーポイントでV。これが自厩舎での初勝利に。  18年8月25日 新潟12R セイウンリリシイで通算35勝目。増沢由貴子(旧姓・牧原)の記録を抜いてJRA女性騎手通算最多勝利を達成。  19年10月26日 新潟6R チャチャチャで第3回新潟競馬の9勝目を挙げ、開催リーディングを獲得。女性騎手として初の快挙。  12月8日 中山11RカペラS コパノキッキングでJRA女性騎手初のJRA重賞制覇。  12月15日 中京6R シーシーサザンで中央&地方交流競走の通算100勝を達成。  20年2月15日 小倉5R ランサムトラップで落馬し、左鎖骨を骨折。初めてケガによる長期離脱へ。  3月20日 中山1R 落馬負傷からの復帰後初騎乗。グレイトサンディーで12着。  4月11日 福島8R ファストライフで復帰後初勝利。  4月25日 福島1R シルバージャックでJRA通算100勝を達成。

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