【阪神大賞典】キセキ、春呼ぶ末脚!仕上がりバッチリ直線シャープに11秒8

[ 2020年3月19日 05:30 ]

単走で追い切るキセキ(撮影・亀井 直樹)
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 阪神日曜メイン「第68回阪神大賞典」では、ただ一頭のG1馬キセキが貫禄十分の走りを披露した。

 はやる気持ちをグッとこらえ、理想的なラップを刻んだ。キセキは清山助手を背にハロー明けのCWコースで単走追い。1週前に雨上がりのCWコース(不良馬場)で6F80秒5~1F11秒9と負荷をかけてある。もうビッシリ攻める必要はない。前半ゆったり入って徐々にペースアップ。終始馬なりで直線シャープに伸びて5F67秒5~1F11秒8でゴールへ。清山助手の感触がいい。

 「もう少しためを利かせられたらと思ったけど、先週しっかりやったことで馬も分かっているし、必要以上に抑え込まないようにしました。いい感じでしたよ。十分に乗り込んで力を出せる仕上がりです」

 これでバッチリ!元ジョッキーの仕上げ人がそう強調する。動きをチェックした角居師も「ダイナミック。キセキの走りができていましたね。先週しっかりやったけど体は細くなっていない。清山さんがつくり込んでくれています」と納得の表情を浮かべた。

 17年菊花賞を勝って以来の芝3000メートル戦。前走・有馬記念はまともに出遅れ、厳しい競馬を強いられながらも、しまい脚を使って5着。当時コンビを組んだムーアが距離延長を進言したこともあり、今年初戦はここに決まった。

 振り返れば、菊花賞以降、GIで馬券に絡むシーンはあっても勝ち星からは遠ざかったまま。かつて阪神タイガースのスローガンにもなった「勝ちたいんや!」。そんな思いで陣営は一致している。清山助手が「勝つことで吹っ切れて、また良さが出てくると思うんです」と2年5カ月ぶりの勝利を渇望すれば、角居師も「今年初戦でいいスタートを切りたい」とV発進を思い描く。休み明けで弾みをつけて堂々、天皇賞・春(5月3日、京都)へ。その準備は整った。

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2020年3月19日のニュース