【東海S】インティ6連勝で初重賞、武豊33年連続重賞V

[ 2019年1月21日 05:30 ]

東海Sを制したインティ(右)中央左は2着のチュウワウィザード(撮影・椎名 航)
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 「第36回東海S」は20日、中京競馬場で行われ、逃げた断然1番人気インティが6連勝で重賞初V。武豊(49)は前人未到のJRA33年連続重賞Vを達成した。

 逃げるインティの手応えは4角でも抜群。初の重賞挑戦だが、その先はいつもの風景だった。チュウワウィザードが食い下がるが涼しい顔で2馬身差V。これで6連勝、2着馬につけた着差は32馬身。1分49秒8のレースレコード。自身の33年連続JRA重賞Vをアシストしてくれたパートナーを武豊が称えた。「期待通りの走りをしてくれた。ホッとしている。キャリアは浅いが一戦ずつ良くなっている。トライアルを快勝したのでG1を目指すことになると思うし期待も膨らむよ」

 好スタートを決め、スッと先頭へ。直後にスマハマが並びかけてきたがハナは譲らなかった。「抑えることは考えていなかった。道中は元気が良過ぎて、もう少しゆったり走ってほしかった」(武豊)。それでも直線では余裕があった。「結構なペースで行ったので心配したがラストまで脚色は鈍らなかった。大した馬です」

 重賞初挑戦だが単勝は1・5倍。野中師は「1600万を勝ったばかりで騒がれ過ぎ。勝ってホッとした」と安ど。昨夏の中京では左手前(軸脚)のまま走り切った。「今回は最後に手前を替えた。半歩前進かな。パワーもついて行きっぷりも良くなり過ぎた」。まだ覚えることは残っているが、その分、成長の余地がある。

 表彰台では武田茂男オーナー(68)が胸を張った。メジロマックイーン、ドーベル、ライアンなどで隆盛を誇った当時のメジロ牧場の場長。“メジロの頭脳”と呼ばれた。現在は北海道・浦河の武田ステーブルで競走馬を育成する。メジロマックイーンの主戦だった武豊は「20年ぶりになるかな。一緒に表彰台に上がれて良かった」。13日の日経新春杯ではメジロ牧場を引き継いだレイクヴィラファームの生産馬グローリーヴェイズがV。2週連続でオールドファンは喜べたはずだ。

 次走はフェブラリーS(2月17日、東京)が視野に入る。改めて33年連続重賞Vについて聞かれた武豊は「えっ、23年じゃない?」とトボけて笑わせた。「インカ神話の太陽神」の意味を持つインティ。決して止まらぬその走りは、まさに砂のサイレンススズカ。いよいよG1獲りにかかる。

 ◆インティ 父ケイムホーム 母キティ(母の父ノーザンアフリート)牡5歳 栗東・野中厩舎所属 馬主・武田茂男氏 生産者・北海道浦河町山下恭茂氏 戦績7戦6勝 総獲得賞金1億489万円。

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