【東京大賞典】パフューム“世代交代”V!14年ぶり3歳馬砂王

[ 2018年12月30日 05:30 ]

東京大賞典を制したM・デムーロ騎乗のオメガパヒューム(撮影・西川祐介)
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 ダートのグランプリも3歳馬がV。平成最後を飾る競馬の18年ラストG1「第64回東京大賞典」が29日、TCK(大井競馬場)で行われ、3番人気のオメガパフューム(牡3=安田翔)がG1初制覇。3歳馬の勝利は交流重賞になった95年以降では、04年アジュディミツオー(船橋)以来3頭目。騎乗したM・デムーロ(39)は12月だけでG1・4勝目となった。また、管理する安田翔師(36)は、08年ジャパンCをスクリーンヒーローで制した鹿戸師以来となる開業初年度でのG1制覇となった。

 成長一途のオメガパフュームが古馬G1馬4頭を蹴散らし、世代交代を告げた。「最高!初めて乗ったときから凄くいい馬。G1を勝てると思っていた。今日もしっかり走っていた。最後まで脚を使って伸びた」。28日のホープフルSに続き2日連続、12月はこれで4度目のG1制覇となったM・デムーロが、スタンドを埋めた4万人強のファンに満面の笑みを向けた。

 16年の覇者アポロケンタッキーが大外から2番手へ。逃げたスーパーステションと2頭がつくるよどみない流れを味方に、中団の後ろでじっくり脚をためた。視界前方には今年のJBCクラシック馬ケイティブレイブと17年JRA賞最優秀ダートホース・ゴールドドリーム。「ペースは良かった。ケイティとゴールドを見ながらいい感じ」。鞍上のプラン通り4角をゴールドの直後で回ると、直線は馬体を併せて激しい叩き合い。先に抜け出していたケイティをかわし、その勢いのままゴールドも退けた。

 開業初年度でうれしい初G1となった安田翔師は「この馬がG1馬になったことが何よりもうれしい」と歓喜の声。今年3月に開業し、厩舎初勝利をもたらしてくれたのもパフュームだった。思い入れのある、そして、かねて高い素質を感じていた馬。厩舎の初G1より、期待馬をG1馬にするという責任感の方が勝った一言だった。

 「今までは馬の気持ちを優先してやってきたが、前走(チャンピオンズC5着)の内容を踏まえて、この中間はアクションを起こして馬を怒らせるように過程を変えた。気持ちの面でも成長している。今までやってきたことが発揮できたら今日は通用すると思った」。18年後半のG1・3連戦を乗り越え、勝利で成長を示した愛馬に目を細めた指揮官。今後は未定も「ワンターンのマイルは問題ないと思う」とフェブラリーS(2月17日、東京)を視野に入れている。

 芝のグランプリ有馬記念に続き、ダートでも3歳馬が躍動。同世代にはチャンピオンズCを制したルヴァンスレーヴもおり、同馬の主戦も務めるデムーロは「パフュームも今後が楽しみだから最悪だよ。難しいね」と、ちゃめっ気たっぷりに苦笑い。19年の競馬界は、ハイレベル3歳勢がけん引していく。

 ◆オメガパフューム 父スウェプトオーヴァーボード 母オメガフレグランス(母の父ゴールドアリュール) 牡3歳 栗東・安田翔伍厩舎 馬主・原禮子氏 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績9戦5勝(南関東2戦1勝)総獲得賞金2億1233万5000円。

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