【有馬記念】五輪イヤーの記憶(7)1988年第33回有馬記念

[ 2016年12月25日 05:30 ]

88年有馬記念、大外から追いこむタマモクロス(右端)を抑えたオグリキャップ(左から3頭目)
Photo By スポニチ

 3月に当時の世界最長となった青函トンネル(53・9キロ)が開通。4月に道路と鉄道が共用の瀬戸大橋が開通。日本が「一本列島」と呼ばれる陸続きになった。東京ドームが完成したのもこの年。東京湾で釣り船「第一富士丸」と自衛隊の潜水艦「なだしお」が衝突して、死者30人の惨事に。

 競馬界は関西馬の躍進と芦毛旋風に沸いた。85年に栗東に誕生した坂路効果でG1年間15戦中、関西馬が11勝(関東馬3勝、外国馬1勝)と圧倒。明け4歳の芦毛タマモクロスの快進撃は続き、G1・3勝目となった天皇賞・秋まで破竹の8連勝。一方、3歳世代では公営・笠松からJRA入りした芦毛オグリキャップが重賞6連勝。迎えた有馬記念は芦毛の両雄が3度目の対決。天皇賞・秋、ジャパンCで続けて先着した引退戦のタマモが1番人気で、オグリが2番人気。岡部と初コンビを組んだオグリが中団から先に動き、道中最後方からまくりで肉薄したタマモを半馬身抑え、悲願のJRA・G1初制覇。距離不安を巧腕で克服した岡部は「前半は死んだふり作戦。タマモがいるうちに負かしたことに大きな価値がある」と喜びに浸った。オグリは2年後のラストランとなった有馬記念で感動の有終V。「オグリコール」の大合唱に送られて、ターフを去った。

 ◆日本は金4個、銀3個、銅7個。水泳100メートル背泳ぎでは鈴木大地が“バサロ泳法”を駆使し、予選を世界記録でトップ通過したバーコフにわずか0.13秒差でV。日本競泳陣に16年ぶりの金をもたらした。レスリングのフリー48キロ級を制した小林孝至は後日、上野駅構内で獲得した金メダルをセカンドバッグごと置き忘れて紛失。このエピソードをテレビ番組で明かし、一躍人気者になった。

続きを表示

2016年12月25日のニュース