【朝日杯FS】モンドキャンノ90点 胸前とトモに立派な筋肉

[ 2016年12月14日 05:30 ]

骨量、筋肉量とも豊富なモンドキャンノ。牡馬では1番手に評価できる体つき
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 先進国は女性上位の時代になりつつある。経済誌にそんな記事が載っていましたが、競走馬にも女性上位の時代が到来しているのかもしれません。朝日杯FSは牝馬の1強。牡馬勢の馬体には高い点数を付けられない。それでも、少しはミスエルテに抵抗できそうな牡馬を挙げるなら…モンドキャンノです。

 尾の太い男性らしい精悍(せいかん)な体つき。骨量、筋肉量とも豊富です。特に胸前とトモには立派な筋肉が付いている。ただし、硬いつくり。母の父サクラバクシンオーの特長を濃厚に受け継いでいます。筋肉の硬さがこの血統を短距離仕様にしてますが、モンドは背中に余裕があるためマイルまで、うまくいけば2000メートルまでこなせるでしょう。私が調教師時代に管理していたアデイインザライフ(母の父サクラバクシンオー、新潟記念優勝)もそうです。

 四肢に予防用のバンデージを巻いているため脚元の状態は不明ですが、冬場とは思えないほど毛ヅヤは良好。充実しているのでしょう。顔からは勝ち気な気性がうかがえます。きつい目つき。耳を左右対称に向けながらハミをきつくかみ締めています。

 「モンド」とはフランス語で「世界」の意味。でも、私はその馬名に必殺シリーズの主人公、藤田まこと演じる江戸の見回り同心、中村主水(もんど)を思い浮かべてしまいます。女性上位の家庭では姑(しゅうとめ)の「せん」と鬼嫁の「りつ」にいじめられて、床入りを強要されたり、趣味のへそくりが見つかって女たちの遊興費に使われてしまう。裏の顔は免許皆伝の剣技を持つ仕事人。競走馬の主水は裏稼業に出向いた時に見せる不敵な面構えです。

 女性上位の2歳戦線。四肢のバンデージに隠れた腱(剣)で必殺の一太刀を浴びせるか。それとも強い女ミスエルテに一蹴されるか。ともあれ、頼りない牡馬勢では1番手に評価できます。

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2016年12月14日のニュース