【NHKマイルC】メジャーエンブレム100点 超特急の逃げ支える臀部

[ 2016年5月4日 05:30 ]

メジャーエンブレム

 メジャーエンブレムの立ち姿には、他の3歳馬との決定的な違いが1つだけあります。口の周りの馬具を見てください。分かりますか?もぐし(簡易頭絡)を装着しただけでハミは着けていません。私の常識ではあり得ないこと。古馬でももぐしだけで写真を撮らせるケースはほとんどありません。それだけおとなしくて従順。悪さをしたり、暴れたりしないとスタッフが確信しているからでしょう。過去のG1馬体診断の写真を見直してみると…。昨年の阪神JF時にはハミを装着していました。桜花賞時はもぐしだけです。前走の時点で幼さを解消した大人の精神だったことが分かります。

 馬体も桜花賞時のコピーを見せられているようです。立派な腹袋、筋肉で競り上がった臀部(でんぶ)、それを推進力に変える飛節や膝、管は枯れています。「枯れる」とは「円熟している」という意味の厩舎用語。腫れやむくみがなく、すっきりと腱が浮き上がっている状態のこと。3歳春に枯れているのは珍しい。思わずなでてみたくなる大人の脚です。

 立ち姿も桜花賞同様、大地をつかんで力強く、気負い一つない。競走馬として心身ともに完成されているのでしょう。そんな馬が前回はなぜ負けたのか。私が考える敗因と予想の結論はレース当日に書かせてもらうとして、馬体には非の打ちどころがありません。馬っぷりも立ち居振る舞いも古馬然とした3歳牝馬。結果を出せるかは乗り方ひとつに懸かっていると思います。

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2016年5月4日のニュース