ベガ、ブエナ育てた名伯楽 松田博師「あとは無事に終われれば」

[ 2016年2月26日 05:30 ]

早朝の厩舎を歩き馬をチェックする松田博師

 ベガやブエナビスタ、アドマイヤムーンなどの名馬を育てた名伯楽・松田博師も今週で33年間の調教師生活に終止符を打つ。「自分のやりたいようにここまでやってこられたからな。何も思い残すことはないし、あとは無事に終われればいいさ」

 ジョッキー時代は“障害の松田”として一時代を築いたが、さらに名声を高めたのはトレーナーに転身してから。JRA通算799勝、G1・19勝はいずれも現役3位の数字。Wコースで長めからじっくり運んで上がり重点の調教を貫き、レースで末脚を生かすスタイルを確立してきた。「追い切りで速い時計を出す必要なんてない。長めからじっくり乗ることで折り合いも付くし、息もできる。オレは、どんな馬でも2000メートルまでは持つと思ってるからな」というセリフには、経験に裏打ちされた重みがある。

 騎手、調教師を通じての夢だった中山大障害制覇は惜しくもかなわなかったが「エイコーンパスは(娘の夫の)ボーちゃん(中尾師)の厩舎に行くからな。また応援に行くよ」と満面の笑み。また競馬場で会える日を楽しみにしたい。

 ◆松田 博資(まつだ・ひろよし)1946年(昭21)1月29日生まれ、佐賀県出身の70歳。64年に騎手デビューし、騎手時代は1038戦188勝。83年に開業。同年阪神障害S・秋(ブルキング)で重賞初勝利。JRA通算6992戦799勝。うちG1・19勝。

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