【マイルCS】ヴァンセンヌ 前走最下位から“下克上”G1Vへ

[ 2015年11月20日 05:30 ]

坂路で追い切られ、軽快な走りを見せたヴァンセンヌ

 史上最大の下克上Vへ、ヴァンセンヌに一発ムードが漂っている。坂路での追い切りは新コンビを組む川田が1週前に続いて騎乗。先行したカレングラスジョー(5歳1000万)に残り400メートルで並びかけると鋭く伸びて突き放し、4F52秒5~1F12秒5をマークした。松永幹師は「いい動き。前走も状態は良かったけど、変わりなくいい状態」と満足げに話した。

 前走の天皇賞・秋は最下位の18着に大敗。向正面で掛かって上昇し、直線は失速した。師は「外に出さないといけない状況になってハミを取って行ってしまった。度外視してもいいと思うし、距離かどうかは何とも言えない」と振り返る一方で「今後はマイル以下になるだろう」とも話した。

 マイルでは昨秋から3連勝で東京新聞杯を制し、安田記念でも2着。鋭い末脚でモーリスを首差まで追い詰めた。得意距離での巻き返しに向け、1週前を普段の坂路ではなくCWコースで行うなど調整も工夫。「脚元の不安なくコースでやれたのが大きい」(師)と臨戦態勢を整えた。

 84年のグレード制導入後、JRA・G1で前走最下位からのVは10年スプリンターズSを制した香港馬ウルトラファンタジーのみ。条件は厳しいが「乗り難しい馬だけど、2回乗ってもらったし、あれだけのジョッキーだからね。うまく流れに乗っていってもらいたい。いい動きだったし、楽しみになった」と期待を口にする。ベストの距離で全能力を発揮できれば、日本馬初の“偉業”も不可能ではない。

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2015年11月20日のニュース