【エ女王杯】伏兵だ“ハーツ産駒の典型”シュンドルボン

[ 2015年11月12日 05:30 ]

単走で追い切るシュンドルボン

 【G1ドキュメント=11日】追い切りが全て終了した昼前の美浦トレセン・矢野厩舎。シュンドルボンを担当する田子助手がスポニチ(11日付)に掲載された同馬の馬体写真を食い入るように見つめている。写真には鈴木康弘元調教師による100点満点の馬体診断評とともに、丸印がトモ(後肢)に付されている。「さすがですね。ご指摘の通り、この部分が変わってきたんです。今夏から見違えるほど張りが出てきた」。長老記者の梅崎にこう語りながら、馬体写真のトモの部分を指さした。

 後肢のボリュームアップに合わせるように8月の500万特別から3連勝して迎えた女王決戦。最終追い切りでも上がり馬の勢いをWコースに叩きつけた。前夜の降雨で重たくなったウッドチップを鋼のような後肢が軽々と蹴り上げていく。馬なりで4F52秒8、ラスト1F12秒4の好時計をマークした。

 トモの緩さが加齢とともに解消してくるハーツクライ産駒。この4歳牝馬が典型だ。矢野師も「緩かったトモがしっかりしてきたのが大きい。実は、デビューした頃(3歳春当時)は右の飛節(後肢の関節)も弱くて、レースを使うと腫れてしまった」と明かす。そのため、右回りコースでは内にモタれていた。真っすぐに走るよう矯正用ハミ(リングバミ)も使用してきたが、「今では飛節もしっかりしているし、調教は普通のハミを使ってもモタれません」と田子助手。4連勝で秋の女王へ。シンデレラ・ストーリーを地でいく東の伏兵だ。

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2015年11月12日のニュース