【スプリンターズS】ウリウリ“瞬間移動”「想像以上に成長」

[ 2015年10月1日 05:30 ]

鞍上のゴーサインで一気にレッドセイリング(手前)を置き去りにするウリウリ

 ウリウリ、熟れ熟れだ――。秋G1初戦「第49回スプリンターズS」の追い切りが30日、栗東、美浦トレセンで行われた。このレースの注目馬はウリウリ。この夏からスプリント路線に転身。この日はCWコースで落ち着いた走りから直線は鋭い伸びを披露した。“新天地”で充実一途の重賞2勝馬がG1初制覇に向けて万全の出走態勢が出来上がった。

【スプリンターズS】

 ウリウリが追われたのはラスト100メートル程度。それでも自慢の末脚健在は、はっきり見て取れた。鮫島良(レースは岩田)を背にCWコースで5F67秒9~1F12秒1。ゴール前は内を鋭く伸び、先行したレッドセイリング(5歳1000万)に1馬身先着だ。藤原英師は「いつも通り馬を前に置いて最後の反応を見た。想像以上に成長していい状態」と胸を張った。

 これまでマイル前後を主戦場としてきたが、今夏は路線を変更。サマースプリントシリーズに参戦した。師は「気性やスピードからこの路線を選択した。CBC賞で1200メートル向きのスピードと瞬発力を確認できた」と適性に自信を示した。

 残る課題は輸送。過去の関東遠征では13年アネモネS(4着)で12キロ減、14年ヴィクトリアM(16着)で8キロ減と大きく馬体を減らして力を出せなかったことがある。師は「慣れと成長に期待している。本当は(前走から)維持でいきたいが、マイナス2か4であってほしい」と具体的な数字を目安として挙げた。

 藤原英厩舎は今年のヴィクトリアMを制したストレイトガールと有力馬2頭出し。師は「ストレイトは競馬がうまくて計算できるのに対してウリウリは枠や展開に左右されるが、能力的には差はない」とG1馬と互角の評価。岩田も「まとめて全馬をかわせるだけの脚がある」とディープインパクト産駒らしい切れ味に信頼を寄せている。

 岩田は会見で「セントウルSを勝ってたら強気に言えるが、挑戦者のつもりで一発狙う」と謙虚に締めたが、こういう時の岩田が一番怖い。秋G1開幕戦。今夏重賞7勝の絶好調男に導かれ、円熟の5歳牝馬が一気にスプリント界の頂点へと駆け上がる。

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