【スプリングS】サブちゃん愛馬キタサンブラック無傷3連勝!

[ 2015年3月23日 05:30 ]

笑顔で握手するキタサンブラックの馬主・北島三郎(左)と北村宏騎手

 サブちゃん愛馬、無敗でクラシックへ。皐月賞トライアル「第64回スプリングS」が22日、中山競馬場で行われた。歌手の北島三郎(78)が所有(名義は大野商事)するキタサンブラックがデビュー戦から無傷の3連勝で重賞初V。2着リアルスティール、3着ダノンプラチナまでが皐月賞(4月19日、中山)の優先出走権を獲得した。

【レース結果】

 演歌の大御所の愛馬が、レッドならぬ中山のグリーンカーペットで、胸のすくような勝ちっぷりだ。好スタートを決めたキタサンブラック。1角で先手を主張したタケデンタイガーにハナを譲ると、難なく2番手を確保した。直線入り口で先頭に立つと、北村宏の右ステッキに反応して後続を突き放す。ゴール前では同じく無敗だったリアルスティールが外から強襲したが、首差で振り切って無傷の3連勝を決めた。

 満面の笑みで殊勲の愛馬を迎えた北島オーナー。ウイナーズサークル周辺に集まったファンから「サブちゃん!おめでとう!!」の声が飛ぶ。表彰式を終え、北村宏とがっちり握手を交わすと「最高です。本当に気持ちがいい」と第一声。芸歴50年を超える大御所が「人さまの前であがることはないんだけど、きょうは凄く緊張している。興奮して(馬主席から)どうやって階段を下りてきたか覚えてないよ」と報道陣を笑わせた。

 3戦無敗でクラシック舞台へ。もう話題先行とは言わせない。「スムーズにリズムを崩さず走ることができた。直線はコース上の鳩に驚いて物見をしていたくらい。まだ緩いところがあるし、もっと強くなる」。北村宏が確信めいた表情で振り返る。「強い馬を負かしたので自信を持って皐月賞に行ける。普段からイレ込まないし、輸送も苦にしない。大した馬です」とは清水久師。馬体の成長を促すため無理せず年明け1月までデビューを遅らせたのも奏功した。「次からはもっと厳しい競馬になるけどプレッシャーを楽しみたい」と1カ月後の大舞台に思いをはせる。

 北島自身が北海道の牧場に赴き「顔つきにほれた」と購入を決めたブラック。「芝で走ってほしいと思って買ったが、3連勝するとは考えてもいなかった」と目を丸くする。皐月賞はもちろん、賞金面でダービーも当確。「皐月賞もダービーも当日のスケジュールを空けておきます。次はうれしくて、皆さんの前で歌ってしまうよ。練習しておかないとね」と本番を待ち切れない様子。堂々無敗の主役が春の「祭り」を盛り上げる。

 ◆キタサンブラック 父ブラックタイド 母シュガーハート(母の父サクラバクシンオー)牡3歳 栗東・清水久厩舎所属 馬主・大野商事 生産者・北海道日高町ヤナガワ牧場 戦績3戦3勝 総獲得賞金6604万円。

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