【阪神大賞典】ゴールドシップ3連覇!デニム猛追にもうひと伸び

[ 2015年3月23日 05:30 ]

直線、一気に抜け出したゴールドシップが貫禄の3連覇(右は2着のデニムアンドルビー)

 阪神で行われた阪神大賞典はゴールドシップが同レース初の3連覇を達成した。

 残り1200メートル、ゴールドシップが動いた。中団待機から3番手まで浮上。前を射程圏に入れた。直線手前でスパートすると一気に先頭に立ち、直線は内ラチ沿いへ。その直後だった。外からデニムアンドルビーが迫ってきた。

 「シップ!! シップ!!」

 スタンドで見守った須貝師の怒号のような声援が飛ぶ。鞍上・岩田も左ムチ連打で気合を注入。強烈な後押しを受けた白い馬体は悠々と先頭でゴールを駆け抜けた。「ホンマにヒヤヒヤした。声かれたわ」とトレーナーは紅潮した表情で人馬を出迎えた。岩田が安どの表情で勝利の喜びをかみ締める。

 「この馬のリズムで伸び伸び走らせてあげようと。その気にさせられたのが良かったと思う。最後は頭が上がっていたけど、もうひと伸びしてくれた」

 前走AJC杯は不完全燃焼の7着。1番人気で惨敗した汚名返上に燃えていた。「前走より前に行けた。馬場が緩くてもパワーがあるし頑張ってくれた。本当に良かった」と満面の笑みを浮かべた。

 得意の仁川で復活したG1・5勝馬。昨年の宝塚記念V以降は、歯がゆいレースが続いていた。「“馬がナメているから、きょうは怒らせろ”とだけ指示した」と指揮官。“闘魂注入”が愛馬の目を覚ました。

 史上初となる同レース3連覇の偉業を達成。鞍上は「凄い馬だと思う。3000メートルを走っても、すぐに息が入っていたと聞いた。まだ、本気に走っていないんだな」と、パートナーの底知れぬ強さに絶句した。

 上半期の最大目標には宝塚記念(6月28日、阪神)の3連覇を掲げるが、今後のローテーションは流動的だ。過去2年は天皇賞・春に挑戦するも5、7着に敗れた。須貝師は「次は様子を見てから考えたい」と慎重。ひとまず25日に栗東近郊の吉澤ステーブルWESTに放牧に出され、英気を養う。3カ月後には再び、阪神で強い走りを見られるに違いない。

 ◆ゴールドシップ 父ステイゴールド 母ポイントフラッグ(母の父メジロマックイーン)牡6歳 栗東・須貝厩舎所属 馬主・小林英一ホールディングス 生産者・北海道日高町出口牧場 戦績24戦12勝 総獲得賞金12億4415万5000円。

続きを表示

この記事のフォト

2015年3月23日のニュース