【静岡・全日本選抜競輪】武田 勢い一番!関東の軸として6度目Vへ

[ 2015年2月11日 05:30 ]

G1全日本競輪の主役となる武田

 2015年初のG1「第30回全日本選抜競輪」は12日から15日までの4日間、静岡競輪場で開催される。昨年のグランプリを制して競輪界の頂点に立った武田豊樹を中心に平原康多、村上義弘、深谷知広、浅井康太、神山雄一郎、新田祐大、岩津裕介、稲垣裕之ら豪華メンバーが勢ぞろい。優勝賞金3000万円(副賞含む)を懸けて熱戦が繰り広げられる。

 シリーズの主役は昨年のMVP・武田だ。個の能力で上位に立つだけでなく、平原、神山らと組む関東ラインの厚みが何よりも大きな力となる。ラインの先頭で風を切ったのが昨年のラストGI、小倉競輪祭決勝。番手回りから追い込んだ平原に土壇場でGP出場権利をもたらし、暮れの大一番でも神山も含めた関東での鉄壁ラインが実現。GPでは逆に平原が武田の前で積極的に仕掛け、番手で盤石の態勢からまくった武田が悲願のVゴール。

 ギア規制が始まった今年に入っても、武田の勢いは止まることなく継続。前走いわき平記念こそ決勝で攻めきることができなかったが、初戦の和歌山記念決勝では練習仲間の鈴木謙太郎の仕掛けに乗って差し切りワンツー。しっかりと結果を出して人気に応えている。静岡バンクでは昨年2月の記念でも優勝を決めており、バンクとの相性の良さも信頼度を高める。関東の軸として、6度目となるGIタイトル獲得へ全力で突き進む。

 平原はGPの後に体調を崩し、今年の初戦となるはずだった1月立川記念を欠場。しかし、その次の大宮記念では地元でしっかりと実力を発揮。連日人気に応えて完全Vを決めた。自力だけではなくタテ、ヨコを問わずに何でもこなせる器用さは大きな魅力。関東での好連係から競輪祭に続いてのG1制覇を目指す。

 近畿地区をリードする村上義も武田や平原と同じく、立川記念で今年の初戦でのVを決めた。初日特選からの連係が予想される稲垣のほか自力型、追い込み型ともに近畿には実力ある選手が多数。途中欠場となった前走奈良記念の分も、気合を込めて戦い結果を出すつもりでいるはずだ。

 中部S班コンビは浅井が1月大宮記念で落車負傷し今シリーズで実戦復帰、昨年9月の落車で鎖骨を折るなどした深谷もGPで実戦復帰してからの走りはまだ本調子には足りない状態と言ってよく、両者ともまずは初日のレースぶりを注視したい。本来の強さが発揮できれば一気に浮上する。

 昨年9月オールスター決勝2着から猛チャージをかけてGP出場を果たした神山は武田、平原との連係。悲願のVを目指したGPでは武田が優勝も、最終Bで村上義に絡まれた神山は武田を追うことができずに無念の6着。GP制覇の最終目標達成へ、今年もたゆまぬ努力で健在ぶりを示す。

 北日本のV有力候補は新田だ。今年初戦の和歌山記念準決で落車したが、前走の地元・いわき平記念では準決で6着となったもののシリーズ3勝を挙げた。さらに調子が上向けばここでの活躍は必至。トップレベルのダッシュとスピードで押し切り優勝を目指す。

 岩津も昨年は安定した成績を残してGP初出場。結果は落車(再乗9着)という悔しい幕切れだったが大舞台を経験し、S班の限定9戦士に名を連ねたことは今年の戦いへの大きな自信となることは間違いない。前走いわき平記念でも持ち味を発揮し、的確な位置取りとコース取りで今年初のV。好調を維持して迎える今年初のGIもV候補の1人として目が離せない。

 近畿の主力の一角としてレベルアップを感じさせる稲垣も昨年の充実ぶりが深く印象に残る1人。最後のG1小倉競輪祭では近畿地区から唯一ファイナルへ進み、先にG1を制して権利を得ていた村上兄弟に続いてのGP出場へラストチャンスに挑んだ。結果はまくり不発となり悲願達成はならなかったが、目標へ向けて気持ちはさらに強くなったはず。確かな機動力を武器に、今シリーズも優勝の2文字を強く意識して力を出し切る。

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2015年2月11日のニュース