【凱旋門賞】10年ヴィクトで7着 角居師 森の中で闘争心あおれず

[ 2013年10月4日 06:00 ]

10年の凱旋門賞で7着だったヴィクトワールピサ(右)

 日本の3歳馬による初めての凱旋門賞挑戦。それが10年7着のヴィクトワールピサだった。ニエル賞にも挑んで4着。仏での2戦を今、角居勝彦師(49)は、こう振り返る。「日本のトレセンは周囲の雰囲気がそうさせるのか、馬が自分から仕上げていく。ただ、シャンティイは森の中。リラックスするにはいい環境だが闘争心をあおるのが難しかった」

 高い能力に合わせられる調教相手も見つからず、結果的に負荷の掛かる併せ馬ができなかった。「ヴィクトワールは併せた分しか走らない。エピファネイアはお構いなしにガーッと行ってしまうが…」。凱旋門賞の後、「チームジャパンで何頭もまとめて遠征したら必ず勝ち馬が出る」と悔しがったが、それはシャンティイでの調整の難しさを念頭に置いての言葉だった。ただ、その苦い経験が翌年のドバイワールドC制覇に生きたことは想像に難くない。

 今年、3歳ながら果敢に遠征したキズナへ、こうエールを送った。「エピファネイアが“ダービーで、あの馬の2着だった”と言ってもらえるよう頑張ってほしい」。のちの凱旋門賞馬の2着…。エピファがそう呼んでもらえる日を、角居師は心待ちにしている。

 ◆角居 勝彦(すみい・かつひこ)1964年(昭39)3月28日、石川県生まれの49歳。01年開業。JRA通算3366戦467勝(重賞50勝、G1・18勝)。海外G1は05年アメリカンオークス(シーザリオ)、同年香港マイル(ハットトリック)、06年メルボルンC(デルタブルース)、11年ドバイワールドC(ヴィクトワールピサ)、12年クイーンエリザベス2世C(ルーラーシップ)の5勝。

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