【ヴィクトリアM】松山康師「サウンドはなかなか巡り合えない馬」

[ 2013年5月10日 06:00 ]

17年ぶりのG1タイトルを狙う松山康師

 ホースマンたる者、紳士たれ。ダービー2勝など輝かしい勲章に彩られた松山康久師(69)の調教師生活も残すところ10カ月足らず。名調教師だった故・松山吉三郎氏を父に持つ師のポリシーは今も昔も変わらない。「競馬は紳士のスポーツ。ホースマンというのは、やさしくて、馬臭くて、馬と会話ができるような紳士でなければ」。

 開業前に海外修業をするなど世界を意識してきた師。「社台グループの吉田3兄弟や武豊が日本競馬の品位や地位向上に果たしてきた功績は大きい。自分も世界と渡り合ってきた自負はあるし、そういう人材がどんどん出てきてほしい」と後輩たちに期待を託す。

 時には若手に厳しいアドバイスを送ることもあるが、結果を騎手や馬のせいにはしない。たとえばサウンドオブハートは池添とのコンビで2連勝中。鞍上への信頼を寄せる一方で「(武)豊も松岡も馬との信頼関係ができていた」とこれまで騎乗した騎手の功績も強調する。「手が合うと思って自分で騎手を選ぶのだから。うまく乗れないこともあるだろうが、結果の責任は自分にある」と話す。

 馬については強気なコメントが多いが、その長所や可能性を信じているからこそ。サウンドの兄姉も多く管理しており、「みんないい馬だった。大成させられなかったのは自分の不徳のいたすところ」と潔い。その名伯楽をして「なかなか巡り合えない理想的な馬」と言わしめるサウンド。師に17年ぶりのG1タイトルをもたらすか。

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2013年5月10日のニュース