【マイラーズC】負けられないブラックヒル 芝マイルで再び頂点へ

[ 2013年4月18日 06:00 ]

秋山を背に迫力ある併せ馬を行ったカレンブラックヒル(右)

 絶対に負けられない戦いが訪れた。安田記念をにらむ「マイラーズC」(21日、京都)の追い切りが17日、栗東、美浦トレセンで行われた。前走・フェブラリーSで1番人気15着と大敗したカレンブラックヒルは、得意の芝マイルに戻して必勝態勢。上々の動きで、陣営も汚名返上へと燃える。

【マイラーズC】

 勝つしかない。秋山から、平田師から、独特のムードが漂う。前走・フェブラリーSで1番人気に支持されながら15着に大敗したカレンブラックヒル。初ダートの厳しさは分かっていた。それでも、この馬なら勝てると思っていた。だが、甘くはなかった…。悔しさ、情けなさ。重いものが胸にグッと押し寄せ、それと戦い続け、ようやく振り払った。「結果としてダート適性はなかった」。平田師はそう語り、愛馬と共にリスタートの一歩を踏み出した。

 秋山を背にCWコースで併せ馬。ハーデス(3歳500万)を5馬身先行させた。直線、外からジワジワと追い詰め、馬なりのままゴール前でサッとかわした。6F83秒6、1F12秒1。ステッキを抜くこともなく、あくまでクールに叩き出した好時計。秋山、平田師だけでなく、ブラックヒル自身も悩み抜いた末にスケールを増したように見えた。

 「速くならないようにゆっくりとの指示。やればやっただけ動く。このくらいの時計でちょうどいいね」。パートナーに対する秋山の信頼は、相変わらず絶対だ。58キロの重量については「初めて背負うからね」とポツリ。どうやら今回のポイントは、ここだ。

 平田師は「58キロは今後、背負っていくべきものだから」と語り、戦術面へと踏み込んだ。「ハナに行く馬がいれば行かせる。そのスタンスは変わらない。今回は行く馬がいる(シルポート)。そこを見ながらになる」

 大敗を経験して、陣営の絆は強固になったようだ。黙って結果を出す。その意識で統一されている。「結果も残しつつ本番へいい形で臨みたい」と秋山。ここを勝ち、安田記念も制して、完璧な失地回復。前走15着の屈辱を晴らすには、これしかない。

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2013年4月18日のニュース