【桜花賞】超良血トーセンソレイユ トップレディになれる器だ

[ 2013年4月3日 06:00 ]

調整へ向かう2戦2勝のトーセンソレイユ

 牝馬クラシック第1弾「桜花賞」(7日、阪神)。無傷V2の超良血トーセンソレイユに、史上7頭目の無敗桜花賞馬の期待が高まっている。母はウインドインハーヘア。そう、半兄は05年牡馬3冠馬ディープインパクトだ。まだ成長途上でも、管理する池江泰寿師(44)は「名牝になれる」と期待する。

【桜花賞】

 偉大な兄を持つ超良血。無傷V2の才女。しかし、トーセンソレイユへの池江師の評価は辛口だった。ドバイから帰国したばかりの指揮官は、苦笑まじりに切り出した。「カイバ食いが細くて…。前走(エルフィンS1着=420キロ)後は410キロを割った。鹿みたい。骨格を考えたら10キロ、いや20キロ増えてもいい。これで2戦勝っているので、現状はいいのかもしれないが」

 線の細さばかり強調したが、それも期待の大きさゆえだ。デビュー2戦は完勝だった。「走る源が何かは分からないが、血統なんだろう。切れ味や、あごのラインなんかディープによく似ている」。師の言葉は次第に苦言から称賛へと変わり始めた。

 特筆すべきはセンスと牝馬離れした根性。2番手のインから器用に勝った新馬戦で素質を証明。エルフィンSは馬群の壁から突き抜けた。3F33秒5。兄に負けない強烈な瞬発力を披露した。「前走はノーステッキ。センスだろう。自分から勝手に狭いスペースに突き進んでいった。そのあたりが根性」と師。さらに「前にも行ける。控えてもOK。馬群もいける。さばける。折り合いもつく」。テンポよく、五重丸の評価を与えた。初の阪神マイルも「競馬はしやすいはず」と気にしていない。

 体重を考慮すれば、エルフィンSで賞金加算し、余裕のローテーションを組めたことはプラス。「今回、体重は多少マイナスになると思うが(ノーザンファームしがらきでの)放牧で立て直せた。距離は2400メートルでも通用する。20キロ増えたら名牝になる」。師は最大級の賛辞を送った。

 2歳戦が施行された46年以降、キャリア3戦目のVは過去2頭(48年ハマカゼ、80年ハギノトップレディ)だけ。完成途上の身で1冠を射止めれば、兄妹3冠の壮大な夢も現実味を帯びてくる。大いなる魅力が、超良血ソレイユには充満している。

続きを表示

この記事のフォト

2013年4月3日のニュース