【有馬記念】ファン投票1位オルフェ回避 池江師苦渋「状態戻らない」

[ 2012年12月7日 06:00 ]

出走態勢が整わないため、有馬記念への出走を回避することになったオルフェーヴル

 オルフェ有馬回避!!グランプリ「第57回有馬記念」(23日、中山)ファン投票の最終結果が6日、JRAから発表された。9万474票を集め、1位に支持された5冠馬オルフェーヴルだったが、疲労により出走態勢が整わないため同レースを回避することがこの日、決まった。また、同時に復帰戦は白紙ながら来年の現役続行が決定。まずは激戦続きの疲れを癒やして、新シーズンに備えることになった。

 グランプリ戦線に衝撃が走った。6日朝、取り囲む報道陣に池江師が切り出した。

 「オルフェーヴルは有馬記念を回避します。きょう決めました。凱旋門賞が究極の仕上げで、その反動が出ている。満足できる状態に戻らないと思うので出走はやめることになりました」

 昨年はクラシック3冠制覇に続き、有馬記念で古馬を撃破。今年の宝塚記念で5冠を達成した現役屈指の実績馬は暮れの大一番に出走することなく、12年のシーズンを終えることになった。

 この秋はフランスに遠征してフォワ賞1着、凱旋門賞2着と国際舞台で実力をアピール。帰国初戦の前走・ジャパンCも2着に敗れはしたが勝ったジェンティルドンナと歴史に残る死闘を繰り広げた。

 今年もグランプリでオルフェーヴルの走りを見たい。そんなファンからの9万474票にこめられた期待に応えるべく、出走を目指して5日朝には調教で坂路入りを再開。今週末に有馬記念の登録を控え、ここまで最善を尽くしたものの慎重に状態を見極めた池江師が苦渋の決断を下した。

 「ファン投票1位だし何とか出走したかったけどね。一日一日いい方向に向かってはいるけど馬が全体的にしぼんでいる。もう少し時間がほしかった」

 ここで無理することなく、出走を自重したのは来年に備えるためでもある。この回避と合わせて現役続行が決定。池江師は気持ちを切り替え、視線を先にやった。

 「今回は回避させてもらったので来年はもっといい状態で(レースに)出したい。コンスタントに凱旋門賞の状態に持って行けるように体質を強くしないといけない」

 現時点で来年のプランは白紙ながら、雪辱戦となる凱旋門賞を筆頭に参戦レースが決められるもようだ。今後は今週末か週明けに栗東近郊のノーザンファームしがらきへ移動。放牧で英気を養い、次のステージに照準を合わせていく。

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2012年12月7日のニュース