【阪神JF】クロフネ 親子鷹で“サプライズ”な大仕事

[ 2012年12月7日 06:00 ]

 【G1ドキュメント=6日】寒風が容赦なく吹き付ける。上岡は小倉の太陽を懐かしく思い出していた。今夏、そこで見初めたクロフネサプライズがG1へ。厩舎へ向かうと、担当の田所純(あつし)助手が笑顔で迎えてくれた。

 「きのうの動きが良かったんで。(騎乗した酒井)学さんが追っていたらラストは12秒台が出ていた、と言ってくれた」

 先週G1を制したジョッキーが調教で気を注入してくれたか(実戦は柴山)。夏の小倉2歳Sがスムーズなら「掲示板はあった」と悔やむ9着敗戦。その後成長した姿を見せている。「調教でもグッと伝わってくる。抑えるのが精いっぱい」と充実一途の感。実戦へ向けても期待いっぱいだ。

 「ヨーイドンの瞬発力勝負だと負ける。早めに仕掛けて、残り目くらいは…」

 こう語る田所助手は田所秀孝調教師の次男。4月にトレセン入りした25歳だ。「はじめて担当した2歳がコイツなんです」と馬房に柔らかな眼差しを向けた。すると背後から声が。

 「何の取材してんの?」

 声の主は父・田所師。「変なことを吹いてないだろうな」と息子にクギを刺すと、上岡には「予定どおり、順調にきている」とニヤリ。

 「あとは相手も強いし、どれだけ対応してくれるかでしょう」

 言葉は控えめながら、田所師の柔和な笑みには手応えがありあり。親子鷹で挑む初のG1。大仕事をやってのけるか。

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2012年12月7日のニュース