【安田記念】躍り上ガルボ マイル重賞3連戴冠だ!

[ 2012年5月30日 06:00 ]

<安田記念>たくましく成長したガルボ

 勢いだけなら、誰にも負けない。春の最強マイル王決定戦「第62回安田記念」で注目を集めるのがガルボだ。2月東京新聞杯で実に756日ぶりの白星を飾ると、前走・ダービー卿CTで今年2度目の重賞V。長い間、勝ち星から見離されていたのがウソのような充実ぶり。通算成績【2213】と好相性の東京でG1初制覇の期待が膨らんでいる。

 全休明けの29日。愛馬ガルボへの印が意外に少ない競馬雑誌を見ながら、清水英師は首をかしげた。

 「おかしいなあ。こんなに人気がないかな。ダービー卿CT(1着)だって、57・5キロのトップハンデを背負って、あの勝ち方。勝負になると思うけど」

 師のぼやきは今が旬のガルボの勝算を見込んでいるからこそ。今年重賞2勝。安田記念と同舞台の東京新聞杯は逃げるコスモセンサーをねじ伏せて快勝。続く阪急杯(5着)は前が詰まって不発だったが、ダービー卿CTは馬群から突き抜けた。完全に一皮向けた。

 「3歳の頃は不整脈とかもあったが、体質面がまず強くなった。賞金を加算したことで狙ったレースを使える。今まで使ってきたG1の中でも今回は一番の状態じゃないかな。間隔を空けた方がいい馬。放牧させて、気持ちの面でもリフレッシュしていい感じ」

 3歳時のマイルCS15着以来、5度目のG1挑戦。しかし、馬体重の変動が激しかった当時とは別馬のようにたくましくなった。昨秋以降の7戦は勝ち馬と最大でも0秒6差で、堅実に成績を残してきた。

 「暑さに強い馬じゃないので涼しいのも助かる。それに東京の方がレースしやすい馬。前に行った馬が残るレース傾向だからね。何より人間が緊張してないから、そういうのが馬にも伝わると思う。うん、自然体。厩舎の雰囲気もいいでしょ?どよ~んとしても、しようがない」

 笑顔が絶えない厩舎スタッフに支えられ、時にスランプもあったガルボも常に上を向いて歩いてきた。ダービーを見ても、前有利の馬場状態は絶好の味方。イメージは3番手から伸び切った東京新聞杯の再現だ。G1タイトルをつかんで男になった石橋脩との気心の知れたコンビ。ガルボに大仕事の予感が漂っている。

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2012年5月30日のニュース