【安田記念】期待の馬はドナウブルーと…

[ 2012年5月30日 06:00 ]

 【G1ドキュメント=29日】勢いのある厩舎は違う。上岡は栗東の石坂厩舎に足を踏み入れると、引き締まった空気を感じた。お目当ての杉山助手に話しかけると「どっちの馬が聞きたいの?」と。安田記念のドナウブルーに加えユニコーンSの有力馬レッドクラウディアも担当しているからだ。まずはG1から。ドナウは坂路1本の調整だった。

 「乗った後もカイバをちゃんと食べている。いいんじゃないかな」。本来はヴィクトリアMを使って放牧の青写真だった。それが思いのほか馬体が減っておらず連戦を即断。「以前は使うとカリカリして体を減らしていた」悪癖が消えた。「体重は少しマイナスになるだろうけど精神的に落ち着いている。当日テンションが上がらなければ、いい競馬ができるはず」

 前走は直線で外へもたれての惜敗だった。真っすぐ走れば勝っていたかも…は誰もが思い描いたこと。「調教でも右へ行く癖がある。それが初めての左回りでモロに出た」と杉山助手は悔やむ。「ジョッキーも見てくれているだろうし外に馬を置く形で運べれば」。その鞍上はオークスで妹のジェンティルドンナを勝利へ導いた川田に代わる。「それ(オークスV)もあっての起用だと思う。でも、今度はお姉ちゃん自身の問題」。パドックは最終レースのユニコーンSを他のスタッフに任せ、安田記念のドナウを引く。だが、期待のほどは甲乙付けがたい。

 「2頭ともいいところがあると思う」。ひょっとすると、うれしい悲鳴が待っているのかもしれない。

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2012年5月30日のニュース