【京都記念】トレイル大物食い!ユタカ様のおかげです

[ 2012年2月13日 06:00 ]

<京都記念>好位置から抜け出し、ダークシャドウ(右)に快勝したトレイルブレザー(左)

 これぞ千両役者だ。人気落ちの実力馬、トレイルブレイザーを駆った武豊の手綱さばきがさえた。87年のデビューから26年連続の重賞V。表彰式を終え、ファンから多くのプレゼントを受け取った武豊は「きょうは副賞が多いね」とおどけた。そして、してやったりとばかりにレースを振り返った。「いいスタートを決められたので、思い通りの先行する競馬ができた。前回乗った時より馬が良くなっていたし、強い競馬でしたね。(記録は)早めにクリアできて良かった」

 まずは鮮やかだったのがスタート。「テンションが高いし、ゲートでキョロキョロしていたから出遅れると思ったけど…。ジョッキーがドンピシャで出してくれたね」と最大級の賛辞を送ったのは、栗東中学の同級生でもある池江師だ。これで難なく好位を確保。

 2つ目の見せ場は3角からの坂の下り。後続の人気馬がけん制し合ってペースを上げない中、真っ先に動いてリードを広げた。武豊はここが勝負の分かれ目だったと振り返る。「坂の下りでハミを取ってくれたので、逆らわずに早めにスパートした」。4角先頭で後続に2馬身差の完勝。長くいい脚を使えるパートナーの持ち味をフルに生かし切った。

 馬にとっても、今後につながる大きな1勝だ。池江師はあらためて春の最大目標を口にした。「きょうは本当に強い競馬だったし、次はドバイシーマクラシック(3月31日)に行きたいね。レーティングの高い馬たちに差を広げて勝ったわけだし、何とか選出してくれないかな」。同日に行われるドバイゴールドカップ(芝3200メートル)に選出されているが、既に回避を表明。各国のエース馬が名を連ねる芝2410メートルの大舞台で通用する力があることは、この日のレースで証明した。あとはドバイからの吉報を待つばかりだ。

 ◇トレイルブレイザー 父ゼンノロブロイ 母リリオ(母の父フォーティナイナー) 牡5歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・前田幸治氏 生産者・北海道新冠町ノースヒルズマネジメント 戦績19戦6勝(うち海外1戦0勝) 総獲得賞金2億3459万7500円。

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