【AJC杯】騎士回生!!善臣ナイト 破格64秒7

[ 2012年1月19日 06:00 ]

<AJC杯>柴田善のムチに応え豪快な追い切りで好調をアピールしたナカヤマナイト

 古馬G1を見据える強豪が集結した「第53回AJC杯」の最終追いが18日、美浦、栗東両トレセンで行われた。関東期待のナカヤマナイトがパートナー2頭を大きく先行させ、好時計をマーク。昨秋のフランス遠征効果でパワーアップした脚力をアピールした。悲願のG1制覇に向けて譲れない始動戦だ。

 2012年の飛躍を体現するように、ナカヤマナイトが派手な最終追いを敢行した。Wコースの5F標識では前で体を並べるアストレーション(6歳準オープン)、エイブルサクセス(4歳1000万)の2頭とは約2秒5。約13、14馬身もの差があった。

 「追いつくのか?」。報道陣の心配をよそに首を真下に向ける独特のフォームで差を詰めていく。4コーナーで最内に進路を取ると、次の瞬間、鞍上・柴田善のムチが飛んだ。豪快なストライドで、2頭と体を並べてゴール。5F64秒7はパサパサに乾いたウッドチップを考えれば破格。それで、ラスト1F12秒9の粘り。明け4歳の充実ぶりをまざまざとアピールした。

 柴田善の表情も実に穏やかだ。「先週(12日)は重いと感じたので最後はステッキを使ってびっしりやった。前走と比べても良かった。前はウッドチップでは動かなかった馬だけど今はこなす。(フランスの)シャンティーの調教場はもの凄くタフな馬場だった。あそこで調教した経験は大きいね」。先輩ナカヤマフェスタと遠征した昨秋フランスでの2戦(6、10着)は結果を出せなかったが収穫は大きかった。帰国初戦のディセンバーSはダービー(4着)より20キロ増の478キロ。一段とボリュームを増した体で、後方からあっさりと突き抜けた。二ノ宮師も「体をうまく使えるようになったね。しっかり地面を捉えて、走れるようになった」と成長を肌で感じ取っている。

 今年の目標はGI制覇。夢を広げるためにも、昨年2月共同通信杯以来の重賞タイトルはぜひ欲しい。柴田善は「調教でも掛かる面はあるので2200メートルに延びるのがポイントだけど、以前よりイレ込む面も解消されている。この先を考えると、この辺でいい競馬をしてもらわないとね」と力強く結んだ。新春の中山重賞3戦は全て関東馬がV。その勢いにも乗って、ナイトがオーラス中山を締める。

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2012年1月19日のニュース